VMware ESX/ESXi Server監視

VMware ESX/ESXi Server監視――概要

ManageEngine Applications Managerはパフォーマンス メトリックの提供で、VMware ESX/ESXi ServerとゲストVMの監視をサポート、各リソースが恒常的に確実なパフォーマンス発揮ができるよう支援します。

Applications ManagerはVMware ESX/ESXi Serverに標準APIで接続し、ホスト サーバーと対応する仮想マシンで、ステータスとパフォーマンスの判定を行います。お客さまITインフラの、物理・仮想・クラウド コンポーネントは、単一コンソールで監視可能です。

新規監視を作成するには

サポート対象のバージョン:ESX 3.5以上、ESXi 3以上

新規VMware ESX/ESXi Server監視を作成するには、下記の手順に従います。

  • 新規監視をクリックします。
  • 仮想化カテゴリでVMware ESX/ESXiを選択してください。
  • VMware ESX Serverの表示名を指定します。
  • VMware Serverを実行しているホストの名前やIPアドレスを入力ください。
  • サーバーが稼働しているポートを入力してください。
  • 認証用のユーザー名パスワードを入力してください。
  • VMディスカバリを選択します。選択肢には、ディスカバリを行わないVMはディスカバリするがメトリックは監視しないディスカバリとVMメトリックの監視を行うがあります。
  • ポーリング間隔を指定してください(分)。
  • Enterprise EditionのAdminサーバーから新規監視を追加するには、Managedサーバーを選択します。
  • 監視グループに関連付けるVMware ESX Serverを、コンボボックスで選択ください(任意項目)。監視は複数グループに関連付け可能です。
  • 監視の追加をクリックすると、ネットワークからVMware ESX/ESXi Serverを検出し、監視が始まります。

ユーザー権限

VMware ESX/ESXi Serverを追加して監視するには、rootアカウントの利用を推奨します。rootアカウントを使えない場合は、「表示のみ」プロファイルでサーバーを追加してください。監視に用いるには、このプロファイルで十分です。作成するユーザーは、次の条件に合うようにしてください。

  • グループ ユーザーのメンバーである
  • 「読み込み専用」プロファイルである

監視対象のパラメーター

仮想化テーブルで監視タブをクリックし、監視カテゴリ ビューへ移動します。VMware ESX/ESXiをクリックしてください。VMware ESX/ESXi一括設定ビューが3つのタブに分類・表示されます。

  • 可用性タブでは、過去24時間か30日のESX Serverの可用性履歴を確認できます。
  • パフォーマンス タブでは、過去24時間か30日のステータスとイベントにくわえ、CPU利用率、メモリ利用率、ディスク利用率、ネットワーク利用量などESX ServerのKPIを、これら属性のヒート チャートとあわせて表示します。
  • リスト ビューでは、一括管理設定が可能で、VMware ESX/ESXi Serverすべてを表示するほか、それらの可用性とステータスも包括して把握可能です。
  • トップESX/ESXi タブでは、ESX/ESXi ServerのトップCPU消費者、トップ メモリ消費者、トップ ディスクI/O消費者、トップ ネットワーク消費者を示します。
  • インフラストラクチャ ビューのタブでは、ESX/ESXi Serverそれぞれで見つかったすべての仮想マシンを表示しています。ここでは仮想マシンすべてについて、可用性、ステータス、CPU(%)、メモリ(%)、ディスクI/O、ネットワーク トラフィックを表示可能です。リストにある仮想マシンをそれぞれクリックすると、VMメトリックが詳細に表示されます。

VMware ESX Serverは下記のパラメーターや属性にもとづき監視します。属性ではVMware ESX Serverの稼働状況がわかります。これらパラメーターにもとづいて、監視対象の数値型属性にしきい値を設定することも可能です。

可用性タブに表示された監視をクリックすると、ESX/ESXi Serverの詳細パフォーマンス メトリックが表示されます。メトリックはわかりやすいよう、10のタブに分類してあります。これらのタブに表示されるメトリックについて、下に説明します。

概要

このタブではESX/ESXi Serverと、そのリソース利用率の全体像を表示します。

パラメーター 説明
監視情報
名前 VMware ESX/ESXi Server監視の名前です。
タイプ 監視するサーバーのタイプを表します。
ステータス ESX/ESXi Serverのステータスを表します(クリア、警告、重大)。
最新ポーリング時刻 最新のポーリングを実行した時刻を示します。
次回ポーリング時刻 次回のポーリングをスケジュールした時刻を示します。
可用性 現在のサーバー ステータスが、利用可能か不能かを示します。
CPU・メモリ利用率
CPU利用率 ESXホストの現在のCPU利用率です(%)。
CPUアイドル タイム CPUコアがアイドル状態の平均時間を表します(ミリ秒)
CPU利用率 システム全体での総CPU利用率を表します(MHz)。
コアのCPU利用率 システム全体での全コア合計でのCPU平均利用率を表します(%)。
メモリ利用率 システム全体でのメモリ利用率を表します(%)。
ディスク・ネットワーク利用量
ディスク利用率 ESX/ESXi Serverのディスク利用量速度を指します(KB/秒)。
ネットワーク利用量 ESX/ESXi Serverのネットワーク利用量です(KB/秒)。
仮想マシン
VM名 ホストに存在する仮想マシン(VM)の名前を示します。
可用性 VMの可用性を表します(利用可能、利用不能)。
CPU利用率 VMのCPU利用率です(%)。
メモリ利用率 VMのメモリ利用率です(%)。
ディスクI/O利用率 VMのディスク入出力利用率です(KB/秒)。
ネットワーク利用率 VMのネットワーク利用率を指します(KB/秒)。
ステータス VMのステータスを示します(クリア、警告、重大)。


CPU

このタブではコアのCPU利用率情報を表示します。

パラメーター 説明
CPU利用率 一定期間でのコアのCPU利用率を示します(%)。
ステータス CPUコアのステータス全般です。
CPUアイドル タイム それぞれのCPUコアがアイドル状態だった時間の合計を指します(ミリ秒)。


メモリ

このタブではESX Serverのメモリ利用率情報を表示します。

パラメーター 説明
消費済みメモリ 総メモリから空きメモリを引いた値です(MB)。
アクティブ メモリ アクティブに利用中のメモリの量を示します。
オーバーヘッド メモリ 全VMのオーバーヘッド メモリの合計を示します。
予約済みメモリ 全VMで最小メモリ値セットを満たすため利用中の、メモリの量を指します。
共有メモリ 仮想マシン間で共有されているメモリの量です。
付与メモリ 物理メモリの付与量を指します。
スワップ メモリ スワップの発生したメモリの量を示します。
ヒープ メモリ ヒープに割り当てられたメモリの量を示します。
VMKernelメモリ VMKernelが利用しているメモリの量を示します。


データストア

このタブでは、サーバーのデータストアにかかわるメトリックを表示します。

パラメーター 説明
データストア データストアの名前です。
タイプ データストアのタイプを指します(例:VMF[VMware File System])。
容量GB データストアで利用できる総スペースを表します(GB)。
利用済みGB データストアが利用中のスペースを指します(GB)。
空きGB データストアの空きスペースです(GB)。
利用率(%) データストアの利用スペース比率を表します(%)。
空きスペース(%) データストアの空きスペース比率を表します(%)。
ステータス データストアのステータス全般です。
読み込み速度 データストアからのデータ読み込み速度を示します(KB/秒)。
書き込み速度 データストアへのデータ書き込み速度を示します(KB/秒)。
読み込み遅延 データストアから1回のデータ読み込みにかかる平均時間をさします(ミリ秒)。
書き込み遅延 データストアへの1回のデータ書き込みにかかる平均時間をさします(ミリ秒)。
メモ:キャパシティ、利用済み容量、空き容量のメトリックは、NFSデータストアではサポートしていません。

ネットワーク

このタブではネットワーク利用率のメトリックを提示します。

パラメーター 説明
名前 ホストのネットワーク インターフェース カードの名前です(NIC)。
データ受信速度 NICのデータ受信速度を表します(KB/秒)。
データ送信レート NICのデータ送信速度を表します(KB/秒)。
受信パケット NICでのネットワーク パケット受信数を指します。
送信パケット NICでのネットワーク パケット送信数を指します。
ステータス NICの全般ステータスを指します。


ディスクI/O

このタブではWindows Serverで実行中のサービスの可用性を表示します。

パラメーター 説明
LUN 物理ディスクに関連付いた論理ユニット番号を指します。
ディスク読み込み速度 LUNのディスク読み込み速度です(KB/秒)。
ディスク書き込み速度 LUNのディスク書き込み速度です(KB/秒)。
ディスク読み込み LUNでの読み込み件数です。
ディスク書き込み LUNでの書き込み件数です。
ステータス LUNのステータス全般を指します。
読み込み遅延 ゲストOSから仮想マシンに、データ収集の間隔内でSCSI読み込みコマンドを発行した際、コマンド処理に要した平均時間を表します(ミリ秒)。
書き込み遅延 ゲストOSから仮想マシンに、データ収集の間隔内でSCSI書き込みコマンドを発行した際、コマンド処理に要した平均時間を表します(ミリ秒)。
コマンド アボート データ収集間隔での、SCSIコマンド アボートの回数を指します。
バス リセット データ収集間隔での、SCSIバス リセット コマンド発行の回数を指します。


イベント ログ

このタブではWindows Serverで実行中のサービスの可用性を表示します。

パラメーター 説明
イベント名 イベントの名前です。
説明 イベントの説明です。
重要度 ログ イベントの重要度です。
生成時刻 イベント発生時刻を指します。
メモ:新規イベントを設定するには、監視アクション ボタンをページ右側でクリックし、ドロップダウンからイベントの設定を選択してください。

設定

このタブではESX/ESXi Serverの設定情報を提示します。

パラメーター 説明
ホスト名 VMware ESX/ESXi Server監視の名前です。
電源 サーバーの電源ステータスを指します。オン、オフ、スタンバイがあります(poweredOn、poweredOff、standBy)。
ベンダー名 仮想化を提供しているベンダーの名前です(VMware)。
バージョン ESX/ESXi Serverのバージョンを指します。
ハードウェア ベンダー名 ハードウェア ベンダーの識別に使います。
ハードウェア モデル システム モデルの識別に使います。
CPUモデル CPUの全般情報を表示します。
CPU容量(MHz) CPU全般の容量を示します(MHz)。
CPUコア サーバーに存在するCPUコアの数です。
VM数 サーバーで検出された仮想マシンの数です。


ストレージ

Applications Managerは、VMware vSphereのサーバーとVMを、下位インフラの物理ストレージ アレイに自動マッピングします。サーバーとVMから、データストア、ホストのバス アダプター、実際の物理ストレージにいたるまで追跡可能です。このタブのストレージ マッピング テーブルでは、仮想マシン、データストア、ストレージ アレイ、対応するLUNなどの手王匡を表示します。

パラメーター 説明
ストレージ アダプター
アダプター名 ストレージ アダプターの名前です。
アダプター ステータス ストレージ アダプターのステータスを指します(Online、Offline、Fault、Unknown)。
モデル ストレージ アダプターのモデルです。
タイプ ストレージ アダプターのタイプです。
ドライバー ストレージ アダプターのドライバー詳細です。
ターゲット数 ストレージ アダプターのターゲット数を指します。
LUN数 ホスト上のアレイLUNの数です。
パス数 サーバー上のストレージ パス総数を示します。

 

パラメーター 説明
仮想マシン VMware ESX/ESXi Server監視の名前です。
データストア データストアの名前です。
LUN LUNごとの仮想ディスク情報です。


ハードウェア

下にサーバー ハードウェア関連のメトリックを示します。

パラメーター 説明
電源 センサー読み込みを監視します(ワット)。
ファン センサー読み込みを監視します(%)。
温度 センサー読み込みを監視します(摂氏)。
プロセッサー センサーのステータスを監視します。
メモリ センサーのステータスを監視します。
  • コンポーネントが正しく機能していれば、ステータス インジケーターは緑です。
  • システム コンポーネントがパフォーマンスしきい値を超過したり、適切に機能していない場合、ステータス インジケーターはオレンジか赤に変わります。一般的に、インジケーターがオレンジとなるのは、パフォーマンス低下の際です。
  • インジケーターが赤であれば、コンポーネントは停止しているかしきい値を超過しています。
  • ステータスが空白であれば、コンポーネントのステータスを判定できない状態です。
  • 読み込みカラムでは、現在のセンサーの対を表示します。たとえば、システム ボードの消費ワットや、摂氏温度を示します。

よくある質問(FAQ)

1:管理対象オブジェクト ブラウザー(MOB)サービスを、ESXホストで有効にするには、どうすればよいですか?

  • ESXi Shellでホストに接続します。
  • 管理対象オブジェクト ブラウザー(MOB)が有効となっているか、次のコマンドで確認ください。
vim-cmd proxysvc/service_list
サービスを実行中であれば、サービス リストに次の内容が表示されます
...
serverNamespace = '/mob',
accessMode = "httpsWithRedirect",
pipeName = "/var/run/vmware/proxy-mod",
...
  • MOBサービスが稼働中でなければ、次のコマンドで有効にできます。vim-cmd proxysvc/add_np_service "/mob" httpsWithRedirect /var/run/vmware/proxy-mob
  • MOBサービスを無効にするには、次のコマンドをご利用ください。
vim-cmd proxysvc/remove_service "/mob" "httpsWithRedirect"
 
ESXi 6.0以上の場合

MOBサービスはデフォルトでは無効となっています。ESXホストのMOB URLにアクセスしようとすると、出力結果は以下のようになります。

VMware1

MOBサービスの有効化は、vSphereクライアントでもESXi Shellでも実行できます。
 
vSphereクライアントから実行
  • ESXホストにvSphereクライアントのバージョン6で接続します。
  • 設定タブで、ソフトウェア詳細設定と移動してください。
  • Config.HostAgent.plugins.solo.enableMobのチェック ボックスを選び、OKをクリックします。
VMware2
 
ESXi Shellから実行
  • ESXi Shellでホストに接続します。
  • ESXi詳細設定は、vim-cmdで確認できます。
vim-cmd hostsvc/advopt/view Config.HostAgent.plugins.solo.enableMob

 

出力結果は以下のようになります。

vVMare3

 
ESXi詳細設定をtrueに変えるには

vim-cmd hostsvc/advopt/update Config.HostAgent.plugins.solo.enableMob bool true

ESXiHOST_PORTは、ESXホスト サーバーのポート番号を指定します。

このリンクを利用すると、ESXホストに存在する全データストアが、「datastore」名の下で、「value」から確認できます。

リストからデータストアを選択・クリックすると、そのデータストアの情報を把握できます。