SAP MaxDB監視 (Add-On)
SAP MaxDB――概要
SAP MaxDB(旧称SAP DB)は、SAP SEが開発・サポートしている大規模組織向けのリレーショナル データベースです。Windows、Linux、UNIX、その他の有力なハードウェア プラットフォームで利用できます。
SAP MaxDBの監視ーー当社が提供すること
Applications Managerではデータベース管理者によるSAP MaxDBのチューニングを支援し、運用環境のデータベースで可用性とパフォーマンスを確保、OSレベルのデータを集めて、お客さまインフラやアプリケーションから、エンド ユーザー体感にいたるまで、パフォーマンス低下の原因を把握可能としています。
- システムとメモリの詳細:データベースが存在するOSのステータスを確認し、データベース キャッシュのサイズや利用効率の情報を収集します。キャシュへのアクセス数やヒット率も追跡しています。
- データとログ領域の統計:データとログの量を定期チェックし、領域に十分な空き容量があることを確認、データベースへのセッション数が上限に達していないか把握できます。
- データ キャッシュとOMSヒープの利用率:データ キャッシュをヒット率メトリックとOMSヒープ消費で分析できます(オブジェクト管理システム:Object Management System)。
- ロック アクティビティとセッション管理:データベース ロックを最多で何回実行できるか調べ、上限に近づいている場合は最多ロック数を増やすべきかの判断材料を提示します。テーブル サイズや拡大率などのスキーム統計を監視するほか、MaxDBクエリ数でトップのテーブルも特定可能です。
- バックアップとバックアップ テンプレート メトリック:バックアップが元通り保持されているかを定期チェックし、エラーがないことを確認します。バックアップ履歴やバックアップの成否も表示対象です。ログ バックアップと、バックアップ ファイルのアーカイブを監視します。自動ログ バックアップが有効となっているかも、定期チェックします。
新規SAP MaxDB監視の作成
サポート対象のバージョン
SAP MaxDB監視セットアップの要件
- sapdbc.jarをAppmanager_Home\working\classesフォルダーへコピーしてください。デフォルトでは、jarファイルは、<MaxDB_InstallationPath>\runtime\jar\sapdbc.jarにあります。
メモ:SAP MaxDB監視の設定時には、MaxDBでX-Serverが稼働中の必要があります。
新規監視を作成する
新規SAP MaxDB監視を作成するには、次の手順に従ってください。
- 新規監視をクリックします。
- データベース カテゴリからSAP MaxDBを選択します。
- 監視の追加画面で、MaxDBサーバーのホスト名を入力します。
- X-Serverポートを指定します。デフォルト ポートは7210です。
- データベースのユーザー名とパスワードを入力してください。
- スキーム/データベース名を入力してください。
- セッション タイムアウトを入力します(分)。
- 監視の追加をクリックします。
監視対象のパラメーター
概要
パラメーター | 説明 |
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システム詳細 | |
データベース ステータス | データベースのステータスを示します。データベースのオペレーション ステータスには、次のものがあります。
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インスタンス タイプ | データベースのインスタンス タイプです。
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DB速度 | |
実行ディレクトリ | MaxDBデータベースの実行ディスカバリです。設定やログ ファイルの保存も行われます。 |
カーネル バージョン | データベース カーネルのバージョンを指します。 |
メモリ概要 | |
I/Oバッファー キャッシュ | I/Oバッファー キャッシュは、割り当てられた作業メモリ領域で、データベース システムがI/O操作に利用します(データ キャッシュ、コンバーター キャッシュ、その他)。 |
データ キャッシュ | データ キャッシュの割り当てサイズを示します。 |
コンバーター | コンバーター キャッシュの割り当てサイズを示します。 |
利用済みファイル/ディレクトリ サイズ | ファイル ディレクトリが利用している容量を指します(MB)。 |
カタログ キャッシュ | カタログのうち、データベース ユーザーが頻繁にアクセスするセクションを、記憶しておくのに利用できるキャッシュのサイズを指します。 |
共有SQLデータ | 共有SQLキャッシュのサイズです。共有SQLキャッシュには実行済みSQLクエリが保存されているので、このメモリ量は最小に保ってください。 |
シーケンス キャッシュ | シーケンス キャッシュのサイズを表します。データベース シーケンスの現在の値を保存しています。 |
OMSヒープ | メイン メモリのうち、OMSヒープが占めるサイズです(オブジェクト管理システム:Object Management System)。 |
ログ キュー キャッシュ | ログ キューのサイズを表します。キューには現在のトランザクションのログ エントリ(REDOログ)が含まれており、これらはログ ボリュームへと、ログ ライターが書き込みを行います。 |
ブロック アロケーター | ブロック アロケーターが利用中のしたメモリの量です(MB)。 |
未使用サイズ | I/Oバッファー キャッシュの空き容量を指します(MB)。容量が多いほど望ましい状態です。容量が非常に少ないと、CACHE_SIZEのリセットが必要であることを示しています。 |
I/O管理 | I/O管理の現在のサイズです。 |
インデックス作成 | 現在のインデックス作成レートを示します。 |
データ キャッシュ | |
データ キャッシュ | データ キャッシュの割り当てサイズを示します。 |
OMSデータ | OMSヒープのサイズです。 |
SQLデータ | SQLデータが占める領域のサイズです。 |
利用済みPin領域 | 利用中のpin領域のサイズを表します。データがデータ キャッシュから長期間にわたり配置換えされないよう保存しておくための、特別なエリアを指します。 |
履歴/UNDO | |
変更データ |
データ領域
パラメーター | 説明 |
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データ領域情報 | |
総データ領域 | データ領域の総サイズを表します(MB)。 |
利用済みデータ領域 | データ領域内のメモリで、現在、データが利用しているものを示します。 |
利用済みデータ領域 | データ領域内のメモリで、現在、データが利用しているものの割合を表します(%)。 |
空きデータ領域 | 現在、データに利用できるデータ領域 |
空きデータ領域 | 現在、データに利用できるデータ領域の割合を表します(%)。 |
永続データサイズ | 永続データのため利用されているデータ領域を指します。 |
一時データサイズ | 一時データのため利用されているデータ領域を指します。 |
永続コンバーターサイズ | キャッシュ コンバーターが永続利用している、I/Oバッファー内の領域を表します。 |
一時コンバーターサイズ | キャッシュ コンバーターが一時利用している、I/Oバッファー内の領域を表します。 |
増分バックアップ サイズ | 増分バックアップのサイズを表します。最新バックアップ以来の新規データや変更のみを、タイプ不問でバックアップします。 |
シャドウ データ サイズ | |
データ ボリューム | |
ボリュームID | データ ボリュームの一意の識別子です。 |
総ボリューム サイズ(MB) | 利用中と未使用のデータ ボリュームの合計サイズです。 |
利用済みボリューム サイズ(MB) | データ領域のボリュームに書き込まれたデータの量を示します。 |
利用済みボリューム サイズ(%) | データ領域のボリュームに書き込まれたデータの比率です(%)。 |
パス | データ ボリュームのパスを表します。 |
ログ領域
パラメーター | 説明 |
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ログ領域情報 | |
ロギング ステータス | ログ領域のロギング ステータスを示します。ログ作成を実行中であれば、データベース システムはトランザクションREDOのログ エントリを、ログ領域のログ セグメントに書き込んでいます。表示内容は次のものがあります。
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自動上書き | ログ領域の上書きがアクティブになっているかを示します。表示内容は次のものがあります。
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ログ ライター ステータス | ログ ライターが有効かを示します。ログ ライターはREDOログのエントリを、ログ グキューからログ領域に書き込みます。ログ ライターはユーザー カーネル スレッドにあるタスクです。表示内容は次のものがあります。
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装置ステータス | 装置のステータスです。次のものがあります。
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ログ領域フル | ログ領域が満杯で、ログ ボリュームにスペースが残っていないかを示します。表示内容は次のものがあります。
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フラッシュ モード | |
総ログ領域 | データベースのインスタンスで、全ログ ボリュームで占める総領域を表します。 |
利用済みログ領域 | 現在利用しているログ領域のサイズです(MB)。 |
利用済みログ領域 | 現在利用しているログ領域のサイズの割合です(%)。 |
ログ ボリューム | |
ボリュームID | ログ ボリュームの一意の識別子です。 |
総サイズ(MB) | 利用中の空きログ ボリュームの合計サイズを表します(MB)。 |
利用済みボリューム サイズ(MB) | ログ領域のボリュームに書き込まれたログの量を指します(MB)。 |
利用済みボリューム サイズ(%) | ログ領域のボリュームに書き込まれたログの比率を指します(%)。 |
パス | ログ ボリュームのパスです。 |
セッション
パラメーター | 説明 |
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セッション | |
最大セッション数 | ユーザーがデータベースで開ける最大セッション数を表します。 |
利用済みセッション数 | 現在アクティブなデータベース セッションの数を指します。 |
利用済みセッション率(%) | 現在アクティブなデータベース セッションの割合を表します(%)。 |
キャッシュ統計
パラメーター | 説明 |
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キャッシュ ヒット レート | |
キャッシュ名 | キャッシュの名前です。 |
ヒット率 | 最新測定期間における、データベースからキャッシュへのヒット回数を指します。 |
キャッシュ統計 | |
名前 | キャッシュの名前です。 |
アクセス数 | キャッシュ アクセスの回数を指します。 |
アクセス成功数 | キャッシュ アクセス成功の回数を指します。 |
アクセス失敗数 | キャッシュ アクセス失敗の回数を指します。 |
ヒット率(%) | 最新測定期間における、データベース キャッシュからの時間データ取得を指します。 |
OMSヒープ
パラメーター | 説明 |
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OMSヒープ統計 | |
アロケーター名 | メモリを割り当てるプロセスの名前です。 |
予約済みメモリ(KB) | プロセスが割り当てた総メモリです。 |
利用済みヒープ(KB) | 現在のメモリ利用率を指します。 |
利用済みヒープ(%) | 現在のメモリ利用率を表します(%)。 |
最大ヒープ利用率(KB) | ヒープ サイズの最大許容値です。 |
スキームとテーブル
パラメーター | 説明 |
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スキーム詳細 | |
スキーム名 | スキームの名前です。 |
テーブル数 | スキームにあるシステム テーブルの数です。 |
利用済みスキーム サイズ(MB) | スキームに属するテーブルとインデックスが利用しているスペースを表します(MB)。 |
トップ10ラージ テーブル | |
スキーム名 | スキームの名前です。 |
テーブル名 | テーブルの名前です。 |
利用済みテーブル サイズ(KB) | テーブルが利用しているスペースを指します(KB)。 |
行数 | テーブルにある行の数です。 |
リソース監視
パラメーター | 説明 |
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トップ10最頻呼び出しクエリ | |
コマンドID | コマンドIDです。 |
SQLクエリ | 呼び出しのあったSQLクエリを指します。 |
呼び出し回数 | 呼び出しのあったクエリの数を指します。 |
行読み込み | full-row readsの数を指します。 |
仮想読み込み | 読み込み(ページ アクセス)の数を指します。 |
SQLロックでの競合 | 対応できなかったSQLロック リクエストの数を表します。 |
内部ロックでの競合 | 対応できなかった内部ロック リクエストの数を表します。 |
I/Oアクセス | ディスクでの読み書きI/Oアクセスの数です。 |
取得行数 | 取得した行の数を指します。 |
ロック
パラメーター | 説明 |
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ロック利用率 | |
最大ロック | ロック リストにある利用可能なロックの数を指します。 |
利用済みロック | 利用中のロックの数を指します。 |
ロック統計 | |
デッド ロック | ロック保持やリクエストによって、最少2つのトランザクションが競合し、この競合が暗黙のうちにトランザクションを終了することでしか解消できなかった状況の、数を表します。 |
SQLロック競合 | ただちに応じることはできなかった、SQLロック リクエストの数を指します。 |
OMSロック競合 | ただちに応じることはできなかった、OMSロック リクエストの数を指します。 |
ロック エスカレーション | ロック エスカレーションの数を指します。 |
行ロック | 行ロック保持の数を指します。 |
テーブル ロック | テーブル ロック保持の数を指します。 |
SQLリクエスト タイムアウト ロック | 最長待期時間を超過したため、SQLロック リクエストに応じられなかった回数を表します。 |
OMSリクエスト タイムアウト ロック | 最長待期時間を超過したため、OMSロック リクエストに応じられなかった回数を表します。 |
バックアップ
I/O操作中のページ読み書き件数
パラメーター | 説明 |
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最新/現在のバックアップ詳細 | |
最新スレッドID | MaxDBカーネル プロセスで作成された、最新のMaxDBスレッドのIDを示します。 |
最新バックアップ スレッド名 | MaxDBカーネル プロセスで作成された、最新のMaxDBスレッドの名前を示します。 |
自動ログ バックアップ | 自動ログ バックアップが有効かを示します。自動ログ バックアップを有効にしてあれば、データベース システムは自動的にREDOログをバックアップします。 |
最新バックアップI/O数 | I/O操作の数を表します。 |
最新バックアップI/Oページ数 | I/O操作中の読み書きページ数です。 |
最新バックアップI/O時刻 | I/O操作の総時間です。 |
最新バックアップ保留I/O数 | 保留中のI/O操作の数を指します。 |
最新バックアップ パス | 最新データ バックアップのパスを表します。 |
最新バックアップ テンプレート詳細 | |
バックアップ テンプレート名 | バックアップ テンプレートの名前です。このテンプレートで作成したバックアップの名前には、影響を及ぼしません。 |
バックアップID | テンプレートIDを表します。 |
バックアップ アクション | テンプレートにスケジュールされているバックアップ アクションを指します。たとえば、データ バックアップ、ログ バックアップ、SQLオプティマイザー統計のバックアップ、データベース構造の確認などがあります。指定時刻に実行されます。 |
バックアップ起動時刻 | バックアップの起動時刻です。 |
バックアップ終了時刻 | バックアップの終了時刻です。 |
バックアップ サイズ(ページ) | フル バックアップと増分バックアップの合計サイズです。 |
バックアップ結果 | 最新テンプレート バックアップの結果です。 |
バックアップ エラー | 最新テンプレート バックアップ結果に、エラーがあれば示します。 |