Microsoft Hyper-V Server監視
Hyper-V――概要
Microsoft Hyper-Vはx86-64システムでのハイパーバイザー型仮想化ソリューションで、サーバー仮想化の領域で重要なプレイヤーとなっています。稼働中のIT環境における重要パーツとして、障害ゼロを達成するには、継続的な追跡と観察が必要です。Hyper-V監視はMicrosoft Hyper-V ServerとゲストVMを見守り、良好なパフォーマンスを恒常的に実現します。
Applications Managerは、Hyper-V Serverのコンポーネントを監視し、パフォーマンス低下を検知します。対象コンポーネントは、プロセッサー、メモリ、ディスク、ハードウェア、仮想・物理ネットワーク、仮想記憶域(ストレージ)などに及びます。
新規Hyper-V監視を作成するには
新規Microsoft Hyper-V Server監視を作成するには、下記の手順に従います。
- 新規監視をドロップダウンでクリックします。
- 仮想化カテゴリで、Hyper-V Serverを選択してください。これによって、監視の追加画面が表示されます。
- Hyper-V Serverの表示名を指定します。
- Hyper-V Serverを実行しているホストのホスト名やIPアドレスを入力してください。
- 認証用のユーザー名とパスワードを入力するか、認証情報リストからの選択を有効にして、認証情報マネージャーから選択してください。
- Applications ManagerでサーバーにあるVMのパフォーマンス メトリックを収集するには、仮想マシンのパフォーマンス メトリックを監視するオプションを選択ください。
- ドロップダウンでMicrosoft Hyper-V Serverのバージョンを選択します(2008、2012、2016、2019)。
- VMディスカバリを選択します。選択肢には、ディスカバリを行わない、VMはディスカバリするがメトリックは監視しない、ディスカバリとVMメトリックの監視を行うがあります。
- ポーリング間隔は分で指定してください。
- Enterprise EditionのAdminサーバーから新規監視を追加するには、Managedサーバーを選択します。
- Hyper-V Serverを関連付ける監視グループをコンボボックスから選択ください。監視は複数グループに関連付け可能です。
- 監視の追加をクリックすると、ネットワークからHyper-V Serverを検出し、監視を始めます。
ユーザー権限
Hyper-Vホストを監視するには、ユーザーはroot OSへの「管理者」権限が必要です(Windows 2008 R2とその他の対応Hyper-Vバージョン)。
ファイアウォールの要件
ファイアウォールがApplications ManagerとHyper-V Serverの間にある場合、ポート135、443、1025をファイアウォールで開放してください。
サポート対象のバージョン
バージョン:Hyper-V Server 2008 R2、Windows Server 2008 R2 Standard、Windows Server 2008 R2 Enterprise、Windows Server 2008 R2 Datacenter、Hyper-V Server 2012、Hyper-V Server 2016、Hyper-V Server 2019
監視対象のパラメーター
- 可用性タブは、過去24時間か30日のHyper-V Serverの可用性履歴を示します。
- パフォーマンス タブでは、総CPU利用率、ゲストCPU利用率、ハイパーバイザーCPU利用率、物理メモリ利用率など、Hyper-V ServerのKPIを、これら属性のヒート チャートとあわせて表示します。ここでは、過去24時間か30日のステータスとイベントも提示しています。
- リスト ビューでは、Applications Managerが監視するHyper-V Serverすべてを、その可用性とステータス全般とあわせて表示します。このビューから、一括管理設定もできます。リストにあるサーバーをそれぞれクリックすると、詳細なパフォーマンス メトリックが表示されます。
- トップHyper-V Serverタブでは、トップ総CPU消費者、トップ ゲストCPU消費者、トップ メモリ消費者、トップ アイドルCPU消費者のグラフが表示されます。
Hyper-V Serverの詳細パフォーマンス メトリックを表示するには、可用性タブかリスト ビュー タブにリストアップされた、対応する監視をクリックしてください。メトリックは、わかりやすいよう、6つのタブに分類してあります。
概要
このタブでは、Hyper-V Serverの可用性とパフォーマンス全体像を提示します。
パラメーター | 説明 |
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監視情報 | |
名前 | Microsoft Hyper-V Server監視の名前です。 |
タイプ | 監視しているリソースのタイプを表します。 |
ステータス | Hyper-V Serverのステータスを表します(クリア、警告、重大)。 |
パーティション | Hyper-V Serverに存在するパーティション総数です。Hyper-V Serverで稼働する仮想マシンは、それぞれ、パーティションと呼ばれるコンテナーで実行されます。 |
VM数 | Hyper-V Serverに設定した仮想マシンの数です(パーティションから1を引いた数)。 |
最新ポーリング時刻 | 最新のポーリングを実行した時刻を指します。 |
次回ポーリング時刻 | 次回のポーリングをスケジュールした時刻を指します。 |
本日の可用性 | サーバーの当日分の可用性ステータス全般を示します。サーバーの7/30レポートと現在の可用性ステータスも表示できます。 |
ハイパーバイザーCPU利用率詳細 | |
総CPU利用率 | ゲストCPU利用率とハイパーバイザーCPU利用率の合計です。 |
ゲストCPU利用率 | ゲストVMが利用しているCPUの割合を表します(%)。 |
ハイパーバイザーCPU利用率 | ハイパーバイザーが利用しているCPUの割合を表します(%)。 |
アイドルCPU利用率 | プロセッサーがアイドル状態のCPU比率を表します(%)。 |
プロセッサー詳細 | |
論理プロセッサー | Hyper-V Serverに存在する仮想プロセッサーの総数を表します。ハイパーバイザーが管理しているコアやHTの数です。 |
仮想プロセッサー | Hyper-V Serverに存在する仮想プロセッサーの総数を指します。rootパーティションでも、ゲストVMを実行している子パーティションでも、実行処理は仮想プロセッサーで行われています。 |
物理プロセッサー | Hyper-V Serverに存在する物理プロセッサーの総数を指します。 |
メモリ詳細 | |
総物理メモリ | Hyper-Vシステムが利用している物理メモリの総量です。 |
総スワップ メモリ | Hyper-Vシステムが利用している総スワップ スペースや仮想メモリです。 |
総リモート物理ページ | 優先NUMAノードから割り当てられなかった物理ページの数です。 |
割り当て済み総物理ページ | VM管理に必要となるゲスト ページとVIDページの総数です。 |
Hyper-Vシステム サービス | |
サービス名 | Hyper-Vのシステム サービスです。Hyper-Vイメージ管理サービス、Hyper-Vネットワーク管理サービス、Hyper-V仮想マシン管理サービスなどがあります。 |
サービスのステータス | サービスの現在のステータスを指します。 |
仮想マシン | |
仮想マシン | 仮想マシンの名前です。 |
VMステータス | VMの現在のステータスを指します。実行中、停止中、中断中などがあります(Running、Paused、Suspended)。 |
CPU利用率 | VMが利用しているCPUの割合を表します(%)。 |
総メモリ | VMが利用しているメモリの量を表します。 |
ステータス | VMの全般ステータスを表します。 |
CPU
このタブではHyper-V ServerのCPU利用率統計を表示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
CPU詳細 | |
コア名 | CPUコアの名前です。 |
ユーザー時間 | CPUがユーザー モード操作の実行に要する時間を表します(%)。 |
システム時間 | CPUがカーネル モード操作の実行に要する時間を表します(%)。 |
I/O待機時間 | CPUがI/O要求の完了を大気している時間を表します(%)。 |
アイドル タイム | ステータス アイドルで費やしたCPU時間を指します(%)。 |
CPU利用率 | コアでのCPU利用量を指します(%)。 |
割り込み/秒 | CPUがアプリケーションやハードウェアからの割り込みに対応する、ペースを指します(数/秒)。 |
メモリ
このタブではHyper-V Serverのメモリ利用率統計を表示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
メモリ利用率詳細 | |
スワップ メモリ利用率 | システムが利用している総スワップ メモリか仮想メモリです(%)。 |
利用済みスワップ メモリ | システムが利用しているスワップ メモリです(MB)。 |
物理メモリ利用率 | システムが利用している物理メモリの量を指します。(%)。 |
利用済み物理メモリ | システムが利用している物理メモリの量を指します。(MB) |
空き物理メモリ | プロセスやシステム利用にただちに割り当て可能な空き物理メモリの量を指します(MB)。 |
ページ詳細 | |
格納ページ(deposited pages) | rootパーティションで利用中の格納済みページ(deposited pages)の総数を指します。 |
仮想TLBページ | rootパーティションの仮想TLBが利用しているページの総数です(変換ルック アサイド バッファー:Translation Lookaside Buffer)。 |
総リモート物理ページ | 優先NUMAノードから割り当てられた物理ページの数です。 |
割り当て済み総物理ページ | VM管理に必要となるゲスト ページとVIDページの総数です。 |
ページ(数/秒) | ハード ページ フォールト解決のためディスクで発生したページ読み書きのレートを指します。 |
ネットワーク
このタブではHyper-V Serverのネットワーク パフォーマンス全般メトリックを提示します。
パラメーター | 説明 |
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ネットワーク トラフィック統計 | |
ネットワーク アダプター名 | ホストのネットワーク アダプターの名前です。 |
速度 | データ送信速度を指します(MB/秒)。 |
受信トラフィック | アダプターでのデータ通信速度を表します(バイト/秒)。 |
受信トラフィック利用率 | 受信利用率を表します(%)。 |
送信トラフィック | アダプターでのデータ通信速度を表します(バイト/秒)。 |
送信トラフィック利用率 | 送信利用率を表します(%)。 |
ネットワーク パケット統計 | |
オフロード済み接続 | TCP Chimneyオフロード機能があるネットワーク アダプターが処理している、TCP接続の数を表します(IPv4/IPv6双方)。 |
送信パケット エラー | エラーで送信できなかったパケットの数を指します。 |
送信パケット廃棄 | 送信パケットのうち、通信を妨げるエラーが見るからなくても廃棄と決まったもの数を表します。例えば、バッファーにスペースを開けるため、システムがパケット廃棄を行うことがあります。 |
パケット送信(数/秒) | ネットワーク インタフェースでのパケット受信速度を表します。 |
パケット受信(数/秒) | ネットワーク インタフェースでのパケット受信速度を表します。 |
記憶域(ストレージ)
このタブでは、Hyper-Vシステムのディスク パフォーマンス全般にかかわるメトリックを表示します。
パラメーター | 説明 |
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ディスクI/O詳細 | |
名前 | 記憶域デバイスの名前を指します。 |
現在のディスク キュー長 | パフォーマンス データ収集時にディスクで未解決だった要求の件数を表します。 |
ディスク バイト/秒 | ディスクでの読み書き操作でのバイト転送レートです。 |
ディスク転送(数/秒) | ディスクでの読み書き操作のレートです。 |
ディスク パーティション詳細 | |
空きスペース | 選択したドライブで利用できる総空きスペースを指します。 |
利用済みスペース | ディスクで利用中のスペースを表します。 |
利用済みスペース比率 | ディスクで利用中のスペース割合を表します(%)。 |
空きスペース比率 | 空きヒープ メモリの割合を表します(%)。 |
仮想記憶域
このタブでは、Hyper-V Serverの仮想記憶域デバイス情報を提示します。
パラメーター | 説明 |
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仮想記憶域統計 | |
名前 | 仮想記憶域デバイスの名前です。 |
エラー数 | 仮想記憶域デバイスで発生したエラーの総数です。 |
フラッシュ数 | 仮想記憶域デバイスで発生したフラッシュ操作の総数を表します。 |
読み込み数 | 仮想記憶域デバイスで発生した読み込み操作の総数を表します。 |
書き込み数 | 仮想記憶域デバイスで発生した書き込み操作の総数を表します。 |
読み込みバイト/秒 | 仮想記憶域デバイスでのデータ読み速度を指します(バイト/秒)。 |
書き込みバイト/秒 | 仮想記憶域デバイスでのデータ書き速度を指します(バイト/秒)。 |
仮想IDEコントローラー詳細 | |
名前 | 仮想IDEコントローラーの名前です。 |
読み込みバイト/秒 | IDEコントローラーにアタッチしたディスクへからの、データ読み込み速度を指します(バイト/秒)。 |
読み込みセクター/秒 | IDEコントローラーにアタッチしたディスクからの、セクター読み込みを指します(数/秒)。 |
書き込みバイト/秒 | IDEコントローラーにアタッチしたディスクへへの、データ書き込み速度を指します(バイト/秒)。 |
書き込みセクター/秒 | IDEコントローラーにアタッチしたディスクへの、セクター書き込みを指します(数/秒)。 |
仮想ネットワーク
このタブではWindows Serverで実行中のサービスの可用性を表示します。
パラメーター | 説明 |
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仮想ネットワーク アダプター詳細 | |
ネットワーク インターフェース名 | Hyper-V Serverに設定した仮想ネットワーク インターフェースの名前です。 |
バイト/秒 | ネットワーク アダプターでのデータ転送速度を指します(バイト/秒)。 |
パケット数/秒 | ネットワーク アダプターでのデータ受信速度を指します(バイト/秒)。 |
レガシ仮想ネットワーク アダプター詳細 | |
レガシ ネットワーク インターフェース名 | Hyper-Vに設定したレガシ ネットワーク インターフェースの名前です。 |
バイト受信(数/秒) | ネットワーク アダプターでのデータ受信速度を示します(バイト/秒)。 |
バイト送信(数/秒) | ネットワーク アダプターでのデータ送信速度を示します(バイト/秒)。 |
バイト廃棄 | ネットワーク アダプターでのデータ廃棄量を指します(バイト)。 |
仮想スイッチ詳細 | |
スイッチ名 | Hyper-Vに設定した仮想スイッチの名前です。 |
バイト/秒 | 仮想スイッチ横断トラフィックの速度を示します(バイト/秒)。 |
パケット/秒 | 仮想スイッチ横断トラフィックのパケット転送速度を表します(数/秒)。 |
ハードウェア
このタブではHyper-V Serverのハードウェア詳細を表示します。
パラメーター | 説明 |
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電源 | |
名前 | 電源の名前です。 |
電圧 | 電源の電圧読み取り値です(mV)。 |
ステータス | 電源のステータスを示します。 |
ファン | |
名前 | ファンの名前です。 |
ステータス | ファンのステータスを表します。 |
温度 | |
名前 | 温度センサーの名前です。 |
ステータス | 温度センサーのステータスを表します。 |
プロセッサー | |
プロセッサー名 | プロセッサーの名前です。 |
クロック速度 | プロセッサーの現在のクロック速度を表します(MHz)。 |
電圧 | プロセッサーの利用電圧を指します(ボルト)。 |
コア数 | 存在するコアの総数を示します。 |
論理プロセッサーの数です。 | 存在する論理プロセッサーの総数を示します。 |
ステータス | プロセッサーのステータスを示します。 |
ソケットタイプ | プロセッサーのソケット指定名です(socket designation)。 |
メモリ | |
メモリ装置名 | メモリ装置スロットの名前です。 |
容量 | メモリ装置スロットの容量を表します(GB)。 |
速度 | メモリ装置スロットの稼働速度を表します(MHz)。 |
ディスク | |
ディスク名 | 物理ハード ディスクの名前です。 |
容量 | ハード ディスクの容量を表します(GB)。 |
ステータス | ハード ディスクのステータスを示します。 |
設定
このタブではHyper-V Serverの設定詳細を表示します。
パラメーター | 説明 |
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設定詳細 | |
ホスト名 | Hyper-Vホストの名前です。 |
ハードウェア製造者 | 利用しているハードウェアの製造者名です。 |
CPUモデル | CPUのモデル名です。 |
CPUキャパシティ | CPUキャパシティ全般を表します(MHz)。 |
CPU製造者 | 利用中のCPUの製造者名です。 |
CPUキャプション | 利用中のCPUのファミリーを表します。 |
仮想記憶域デバイス、VM、ネットワーク アダプター、ディスクの操作は、Applications Managerから可能です(有効化/無効化/削除)。必要項目を対応するタブから選び、アクションをリスト ボックスで適宜選択ください。比較レポートで2つのメトリックを任意に指定し比べることもで可能です。