カーネル ベースの仮想マシン監視
KVM――概要
KVM(Kernel-based Virtual Machine:カーネル ベースの仮想マシン)はLinuxカーネルに組み込まれた技術です。Linuxカーネルをハイパーバイザーにして、複数のゲスト仮想マシンを稼働させることができます。
Applications Managerは、監視するKVMホストとゲストVMからパフォーマンス メトリックを収集します。ホストとそのゲストVMのリソース利用率をリアルタイムで把握するには、CLIを利用します。
要件
- KVMホストにはlibvirtパッケージのインストールが必要です。
- KVMホストでroot権限を有効にしてください。
- メモリ統計を収集する場合、Windows仮想マシンにはバルーン ドライバーのインストールが必要です。
- IPアドレスを取得するには、仮想マシンにQEMUエージェントをインストールしてください。
新規KVM監視を作成するには
サポート対象のバージョン:QEMUバージョン2.5.0以上
REST APIで新規KVM監視を追加する:こちらをクリックしてください。
- 新規監視をクリックします。
- 仮想化カテゴリで、KVMを選択してください。
- KVMサーバーの表示名を指定します。
- KVMサーバーを実行しているホストの名前かIPアドレスを入力してください。
- 監視のモードを選択します(TelnetかSSH)。
- Telnetの場合、ポート番号(デフォルトで23)と、サーバーのユーザー名・パスワードを入力してください。
- SSHの場合、ポート番号(デフォルトで22)と、サーバーのユーザー名・パスワードを入力してください。公開鍵認証を有効にする場合、ユーザー名と秘密鍵情報を入力する必要があります。秘密鍵保護のためパスフレーズを指定することも可能です。
- サーバーが稼働しているポートを入力してください。
- VMディスカバリを選択します。選択肢は、ディスカバリを行わない、VMはディスカバリするがメトリックは監視しない、ディスカバリとVMメトリックの監視を行うです。
- ポーリング間隔を指定してください(分)。
- Enterprise EditionのAdminサーバーから新規監視を追加するには、Managedサーバーを選択ください。
- KVMサーバーを関連付ける監視グループを、監視グループの選択コンボボックスで選びます(任意項目)。監視は複数グループに関連付け可能です。
- 監視の追加ボタンをクリックしてください。これにより、ネットワークからKVMサーバーを検出し、監視が始まります。
ユーザー権限
KVMサーバーの監視には、rootアカウントの利用を推奨します。
監視対象のパラメーター
監視タブをクリックすると、監視カテゴリに移動します。仮想化テーブルでKVMをクリックしてください。KVM一括設定ビューは、3つのタブに分類・表示されます。
- 可用性タブでは、過去24時間か30日の、KVMサーバーの可用性履歴がわかります。
- パフォーマンス タブでは、KVMサーバーの過去24時間か30日について、ステータスとイベントや、CPUとメモリ利用率などのKPI、さらには、これら属性のヒート チャートを確認可能です。
- リスト ビューでは一括管理設定が可能で、KVMサーバーすべてを、その可用性とステータスとあわせて表示します。
KVMサーバーの監視は、下記パラメーターや属性の継続チェックで行います。これらの属性から、KVMサーバーの機能について監視情報を提供します。サーバーで監視する数値型属性には、しきい値設定も可能です。
可用性タブに表示された監視をクリックすると、KVMサーバーの詳細パフォーマンス メトリックが表示されます。メトリックはわかりやすいよう、5つのタブに分類してあります。これらのタブに表示されるメトリックについて、下に説明します。
概要
このタブではKVMサーバーのパフォーマンスと可用性について、全体像を提示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
CPU利用率 | |
CPU利用率 | KVMサーバーの現在のCPU利用率です(%)。 |
ユーザー | CPUがユーザー コマンドの実行に費やす時間を指します(%)。 |
システム | CPUがカーネル コマンドの実行に費やす時間を指します(%)。 |
アイドル | CPUがアイドル状態の時間を表します(%)。 |
I/O待期 | CPUがI/O装置を待期している時間を表します(%)。 |
メモリ利用率 | |
メモリ利用率 | システム全体の消費メモリ量を指します(%)。 |
総物理メモリ | KVMサーバーに割り当てられたメモリの総量を示します(GB)。 |
利用済み物理メモリ | KVMサーバーが利用したメモリの量です(GB)。 |
空き物理メモリ | KVMサーバーで利用できる残存メモリです(GB)。 |
バッファー メモリ | KVMサーバーでバッファーに利用できるメモリの量を指します(GB)。 |
キャッシュ メモリ | KVMサーバーがキャッシュに利用したしたメモリの量です(GB)。 |
仮想マシン | |
VM名 | KVMサーバーに存在する仮想マシンの名前です。 |
可用性 | VMの可用性を表します(利用可能、利用不能)。 |
ステータス | VMの現在のステータスです。 |
メモリ利用率 | VMのメモリ利用率です(%)。 |
CPU利用率 | VMのCPU利用率です(%)。 |
ステータス | VMのステータスを示します(重大、警告、クリア)。 |
VM名をクリックすると、KVM(カーネル ベースVM)監視ダッシュボードにリダイレクトされます。
CPU
このタブでは、コアのCPU利用率統計を提示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
CPU詳細 | |
CPU | CPUコアの名前です。 |
CPU利用率 | コアのCPU利用率です(%)。 |
ユーザー | ユーザー コマンドを実行するのにかかる時間です(%)。 |
システム | カーネル コマンドを実行するのにかかる時間です(%)。 |
アイドル | CPUがアイドル状態にある時間を指します(%)。 |
I/O待期 | CPUがI/O装置を待期している時間を指します(%)。 |
ネットワーク
このタブでは、KVMサーバーのネットワーク利用量を提示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
ネットワーク詳細 | |
ネットワーク名 | 仮想ネットワークの名前です。 |
ステータス | 仮想ネットワークの現在のステータスを示します(アクティブ、非アクティブ)。 |
自動起動 | ゲストVMのブート時に、仮想ネットワークを自動的に起動するようになっているか、判定できます(Yes、No)。 |
ネットワーク インターフェース | |
インターフェース名 | ネットワーク インターフェース カードの名前です(NIC)。 |
ステータス | NICのステータスを示します(アクティブ、非アクティブ)。 |
MACアドレス | NICのMACアドレスを表します(Media Access Control)。 |
受信バイト | NICのデータ受信速度を表します(MB/秒)。 |
送信バイト | NICのデータ転送速度を表します(MB/秒)。 |
受信パケット | インターフェースが受信したパケットの数を指します。 |
送信パケット | インターフェースが転送したパケットの数を指します。 |
ストレージ
このタブでは、ストレージ プールとボリュームのメトリックを提示します。
パラメーター | 説明 |
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ストレージ プール | |
プール名 | ストレージ プールの名前です。 |
UUID | ストレージ プールの一意の識別子です(Universal Unique Identifier)。 |
ステータス | ストレージ プールの現在のステータスです。 |
容量 | ストレージ プールの総容量です(GB)。 |
利用済みスペース | ストレージ プールで利用中のスペースを指します(GB)。 |
空きスペース | ストレージ プールに残存する利用可能スペースを指します(GB)。 |
自動起動 | ブート時にプールを自動起動する設定になっているかを示します(Yes、No)。 |
ストレージ ボリューム | |
ボリューム名 | ストレージ ボリュームの名前です。 |
パス | ストレージ ボリュームのマウント先を表す絶対パスです。 |
タイプ | ストレージ ボリュームのタイプです。 |
プール名 | ストレージ プールの名前です。 |
容量 | ストレージ ボリュームの総容量です(GB)。 |
利用済みスペース | ストレージ ボリュームで利用中のスペースの量を指します(GB)。 |
空きスペース | ストレージ ボリュームに残像する利用可能スペースの量を指します(GB)。 |
設定
このタブでは、KVMサーバーの設定詳細を提示します。
パラメーター |
説明 |
---|---|
ホスト名 | ハイパーバイザー ホストの名前です。 |
ホストOS | KVMサーバにインストールされたOSの名前です。 |
libvirtバージョン | libvirtライブラリのバージョンです。 |
ハイパーバイザー バージョン | ハイパーバイザーのバージョンです。 |
CPUモデル | CPUの全般情報を表示します。 |
CPU周波数 | CPUのキャパシティを表します(MHz)。 |
CPU | CPUコアの数です。 |
CPUソケット | CPUソケットの数を示します。 |
ソケットごとコア数 | ソケットごとのコア数を表示します。 |
コアごとスレッド数 | コアごとのスレッド数を表示します。 |