Enterprise Edition――Managedサーバー

Enterprise Editionでは、分散構成をサポートしています。単一のマスター サーバーをAdminサーバーと呼び、ここから複数のManagedサーバーのデータをまとめて確認可能です。ManagedサーバーはそれぞれがApplications Server環境であり、ここから多数のリソースを監視して、取得したデータをAdminサーバーへ集約しています。

インストールの際は「Enterprise Edition」を選択してください。つづいて、インストール タイプを「Managedサーバー」とします。ManagedサーバーとAdminサーバーをつなぐため、ホスト名SSLやWebサーバーのポートの入力も必要です。Managedサーバーの機能は、スタンドアロンのApplications Managerと同等で、各種の監視、しきい値、アラート設定ができます。Adminサーバーとの通信にはHTTPSを使います。

Adminサーバーから、ツールバーすぐ上にあるジャンプを利用すると、ManagedサーバーのWebコンソールが表示れます。

メモ
  • Professional EditionをManaged Serverに変更するには、グローバル設定へ移動し、「スタンドアロン サーバーからManagedサーバーに切り替え」を選択してください。この項目は、PPMでのアップグレードを行わず、フルビルドのインストールを行った場合のみ表示されます。
  • AppManager_Home/conf/AMServer.propertiesファイルに以下の変更を行い、サーバーを再起動すると、Managedサーバーに切り替わります。
    am.ssl.enabled=true
    am.server.type=MAS
    am.adminserver.host=Admin Server Host Name
    am.adminserver.port=Admin Server SSL Port

Managedサーバー設定

Managedサーバーは起動時に、自動的にAdminサーバーに登録されます。設定を編集する場合は、管理タブへ移動し、Managedサーバーのリンクをクリックしてください。これによって、Managedサーバーのページへ移動が発生し、そちらでManagedサーバー設定ができます。そのほか、メインタブすぐ下のManagedサーバーをクリックいただくこともできます。

Managedサーバーの追加手順

  • 新規追加のリンクをクリックすると、新規Managedサーバーの追加フォームが開きます。
  • Managedサーバーのホスト名を入力してください。
  • Webサーバー ポート番号、すなわちWebクライアントの接続先ポートを入力してください。
  • AdminサーバーとManagedサーバーで通信を行うための、SSLポート番号を入力してください。
  • サーバーIDを入力してください。IDは、Managedサーバーのサポート タブから、インストール情報テーブルで確認できます。
  • Managedサーバーの管理者パスワードを入力してください。(メモ:該当するManagedサーバーの、管理者ロールのパスワードと同じにする必要があります。Managedサーバーのパスワードを変更する場合、Adminサーバーのパスワードも手動で変更してください)。
  • Managedサーバーの追加をクリックすると、追加作業が実行されます。追加したサーバーは、Managedサーバーのリンクの下に、監視数、ステータス、負荷因子などとあわせて表示されます。

テーブルには、次のManagedサーバー情報が表示されます。

  • サーバーID:ManagedサーバーのIDを指します。
  • 表示名:Managedサーバーの表示名です。
  • Managedサーバー グループ:サーバーが所属するManagedサーバー グループを指します。
  • 監視ステータス:ステータスof監視
  • 負荷因子:負荷因子ofサーバー
  • 最新ポーリング時刻:最新ポーリング時刻
  • 同期:Managedサーバーの同期ステータスを表します(完了、進行中)。
  • ダウンロード:サービス パックのダウンロード ステータスを示します。
  • アップグレード:サービス パックのアップグレード ステータスを指します。

Yテーブル下でManagedサーバーを1つ以上選択し今すぐダウンロードをクリックすると、サービス パックを入手できます。今すぐアップグレードのクリックで、サービス パックの更新が実行されます。

メモ:Applications Managerへの負荷が重いかどうかは、「Applications Managerインストール情報」カテゴリの「サポート」タブより、負荷因子で判定できます。負荷因子は「x.y」形式で、「x」はApplications Managerサーバーへの負荷を、「y」は製品が利用するデータベースへの負荷を表しています。値が0の時に負荷は最小で、9の時は最大です。すなわち、負荷因子は0.0から9.9までの値になります。各Managedサーバーの負荷因子は、Adminサーバーの「Managedサーバー」にも表示されており、こちらでManagedサーバー間で負荷が均等になるよう操作できます。

メモ
負荷因子は「x.y」と表せます。xはManagedサーバーのポーリング負荷因子を、yはManagedサーバーのデータベース負荷因子を指します。
xとyには、最大値を設定できます。AdminサーバーでAMServer.propertiesファイルを編集してください。
x:am.mas.polling.max.loadfactor(デフォルト値は5)
y:am.mas.database.max.loadfactor(デフォルト値は5)

Managedサーバー アクション

データの取得:この機能を使うと、ポーリング実行を待つことなく、Managedサーバーから即座にデータを取得できます。

編集:Managedサーバーの詳細を編集できます。

有効化/無効化:Managedサーバーでのデータ収集を、有効・無効で切り替えます。無効にしてもManagedサーバーでのデータ収集は続き、停止するのは同期だけです。

管理者メール アドレス設定:Managedサーバーがダウンした際のメール送信を設定できます。サーバーがアップに戻らない場合、24時間ごとの通知もします。メール設定「管理」タブの「管理者メール アドレス設定」からご利用ください。メールの有効化/無効化は、Managedサーバーごとの「編集」オプションから可能です。

ManagedサーバーへのリクエストでAdminサーバーをプロキシにする:管理コンソールにログインすると、監視のグラフや画像が対応するManagedサーバーから取得・表示されます。Adminサーバーには特定マシンやインターネットを経由して接続できても、Managedサーバーにはそれでは到達できない場合は、グラフや画像は取得できません。

このような場合は、「ManagedサーバーへのリクエストでAdminサーバーをプロキシにする」を選択してください。この場合、データはまずManagedサーバーからAdminサーバーへ取得され、管理者のブラウザーではAdminサーバーからの画像やグラフ データを閲覧可能となります。

ユーザー管理:Enterprise Editionでは、ユーザー管理タブがAdminサーバーとManagedサーバーで独立して動いています。したがって、Managedサーバーでのユーザーごと表示内容は、Adminサーバーの反映ではありません(逆方向も同様です)。データ表示はAdminサーバーでまとめて行うため、Managedサーバーの監視グループには、Adminサーバーでオーナーを割り当てる必要があります。無論、Managedサーバーでのオーナー割り当ては、それとは独立して機能します。SLA管理のマネージャー コンソールでは、SLAの割り当てと、違反時に実行するアクションの監視グループへの関連付けも、Adminサーバーから実行可能です。

Managedサーバーへのアクセス

Adminサーバーでツールバーすぐ上のジャンプをクリックすると、Managedサーバーのリストが表示されます。Managedサーバー名をいずれかクリックすれば、ブラウザーの別ウィンドウに、それぞれのManagedサーバーのWebコンソールが開きます。

メモ:AdminサーバーからManagedサーバーにログインしてデータを同期するには、エンタープライズ管理者のロールが必要です。このロールの場合、ユーザー名はsystemadmin_enterprise、パスワードは通常の管理者ロールのものにしてください。エンタープライズ管理者のロールはUIに表示されず、内部利用しています。

重要:Enterprise Edition全体のインストール法は、Enterprise Editionのよくある質問に記載があります。

FAQ:Applications Managerが負荷因子を利用しManagedサーバーを選ぶしくみは、どのようになっていますか?

Managedサーバーの自動選定にあたっては、次の2点を検討しています。

負荷因子(x.y)は、ここでは以下のように扱います。
xはManagedサーバーのポーリング負荷因子を表します。
yはManagedサーバーのデータベース負荷因子を表します。
xとyの最大値は、AdminサーバーのAMServer.propertiesファイルで指定できます。
x:am.mas.polling.max.loadfactor(デフォルト値は5)
y:am.mas.database.max.loadfactor(デフォルト値は5)

Managedサーバーごと最多監視数
値はAMServer.propertiesで設定できます。am.max.monitorcount.masのキーをご利用ください(デフォルト値は500)。
Managedサーバー選択の条件は、次の通りです。
x:maxAllowedValueOfPollingLoad未満(かつ)
y:maxAllowedValueOfDatabaseLoad未満(かつ)
n:maxMonitorAllowed未満

条件に合わなければ、「利用できるManagedサーバーがありません」と表示されます。