Ciscoスイッチスタックとは?
ネットワークにおけるスタックとは、複数の装置を専用線とポートで接続し、論理的に1台の装置として動作させることを指します。
スタックポートを持つスイッチングハブ(以下スイッチ)同士を接続することで、スタックを構成する全てのスイッチで設定やルーティング情報を共有できます。また、スイッチのポートが不足した場合にも機器のリプレイスを必要とせず、スタックへのスイッチ追加で拡張が可能です。
すべてのCiscoスイッチスタックは、以下のコンポーネントで構成されています。
- スタックマスター
Cisco Discovery Protocol(CDP)、VLAN、VLAN Trunking Protocol(VTP)、スパニングツリープロトコル(STP)など、スイッチの全ての機能を提供します。各スタックには固有のコンフィギュレーションファイルが用意され、スタックマスターによって管理されます。スタックマスターとなったスイッチは、スタックに追加された機器をスタックスイッチに設定します。 - アクティブスイッチ
アクティブスイッチ(コマンダー)は、スタック全体の設定を処理します。また、アクティブスイッチは、スタック構成の変更検知やスイッチのアップグレードなどのスタック機能も処理します。 - スタンバイスイッチ
アクティブスイッチがない場合に、バックアップとして機能します。 - スタックポート
スタック内の他のスイッチとの通信に使用されるポートです。スタックポートには、機器に事前に設定されたものと、ユーザーが定義するものがあります。
スイッチスタックの監視における課題
スイッチスタックは論理上単一の機器として存在していますが、実態は複数のスイッチです。スイッチスタックの構成を理解して状況を把握していないと、スイッチスタックを含むネットワークに障害が発生した場合、数あるスイッチの中から問題のあるスイッチを切り分けてトラブルシューティングすることが困難となります。
Ciscoスイッチスタックを含むネットワークを効率良く管理するためには、スイッチスタックを単なるネットワーク機器としてではなくスイッチスタックとして可視化し、一目で状況把握できるような監視システムを使用することが望ましいと言えます。
Ciscoスイッチスタックの監視機能
ManageEngineが提供する統合ネットワーク監視ツール「OpManager」は、OpManagerで検出されたスタック内のすべてのユニットを可視化します。スタック構成内のすべてのスイッチを一覧表示し、それぞれのスイッチの可用性と現在の利用状況を表示し、スタック全体と個々のスイッチを統合的に監視できます。
無料で使えます[機能・監視数 無制限]
スタックトポロジー
スタックトポロジーとは、スイッチ間のデータポートの接続と、各スイッチのステータスをグラフ化したものです。このデータは、検出されたスタックのスタックポート情報から取得されます。
OpManagerでは、スタックマスターからスタックポート情報を利用し、自動でスタックスイッチのトポロジーマップを作成します。 スタックトポロジーは、スイッチのステータスやスイッチ番号・役割などを検知し、自動で最新の状態を描画します。
スタックの詳細 :[スタック詳細]テーブルでは、現在動作中のスタックマスター・スイッチスタックが消費する帯域、スタック内で障害発生中のスイッチ数を表示します。
スイッチスタック詳細
OpManagerは、スイッチスタックを発見すると、以下のインベントリ情報を自動で取得して一覧表示します。
- ステータス
役割の変更、状態、スイッチ番号の変更などを表示します。 - 役割
スイッチの役割(メンバー/マスター)を表示します。 - 状態
スイッチの現在の動作状態(Ready、Master Re-init、Version Mismatch等)を表示します。 - Priority
各スイッチに設定されたマスター選択の優先度です。値が高いほどそのスイッチがスタックマスターになる可能性が高くなります。 - MACアドレス
特定のスイッチのMACアドレスです。 - モデル・シリアルナンバー
スイッチのモデル名とシリアルナンバーを表示します。
スタックセンサー詳細
ファン・電源・温度・電圧センサーなど、スイッチスタックに関連するハードウェアセンサーのステータスを表示します。スイッチスタックのハードウェアのステータスを、いつでもリモートで監視し、状況を把握することが可能になります。ハードウェアに関する詳細な情報を得るには、センサーの項目をクリックすることで、対応するハードウェア監視の詳細ページにアクセスし詳細情報を確認できます。
アラートと通知
監視対象のスイッチスタックに何らかの変更があった場合、OpManagerはネットワーク管理者に変更の内容をお知らせします。OpManagerでは、Ciscoスイッチスタックの状況をお知らせする以下のアラートをご用意しています。
- スタックに新しいメンバーが追加された場合
- 新しいスタックマスターが選択された場合
- メンバーが削除された場合
- メンバーがアクティブでない・準備ができていない場合
- スイッチの番号が変更された場合
- スイッチがスタンバイモードに移行した場合
その他のパフォーマンス項目にしきい値を設定して個別に監視することや、スクリプト監視などのカスタム監視を関連付けることが可能です。
レポート
検出されたスイッチスタックの可用性とパフォーマンスの統計情報は、画面数クリックでわかりやすいレポートとして出力できます。
関連機能
- ルーター監視機能
ルーターやWANを監視する機能について紹介しています。 - アラート・通知機能
ネットワークの障害管理を簡単に実現する方法を紹介しています。 - レポート機能
ネットワークパフォーマンスを簡単に可視化する方法を紹介しています。