ネットワーク『見える化』でできること
『見える化』は今やビジネスに欠かせないキーワードのひとつです。本来は目に見えない部分も可視化することにより、スムーズな業務を実現するために広く活用されています。たとえば、日頃の業務プロセスを見える化することで、問題点の早期発見や社員同士での共有などが可能になります。見える化で業務の無駄を省きコスト削減につなげたり、業務スキルを見える化して教育を効率化したりすることもあります。
ネットワークにおける『見える化』とは、ネットワーク管理者がサーバー、ルーター、スイッチなどさまざまなインフラ装置の構成や接続状況、状態など、また各インフラ間の通信(トラフィック)の状況などを目視で把握できるようにすることを指します。ネットワーク『見える化』は、日々の運用管理やトラブルシューティングを迅速化・効率化する上で重要です。
ひとことで『見える化』といっても、「何を見える化するか」によっていくつか分けることができます。以下では、ステップ別にネットワーク構成・ネットワーク機器や接続の状態・統計レポートの見える化についてご紹介します。
ステップ1: ネットワーク構成を『見える化』
デジタル化が急速に進む中で、物理環境だけでなく仮想化環境、クラウド環境など、企業ネットワークも複雑化する傾向にあります。そのようなネットワークを把握し、日々の運用管理を行うためには、わかりやすいネットワーク構成図が重要になります。多くの管理者は、手動またはツールを用いてネットワーク構成図を作成しています。ネットワーク構成図を手動で作成するのは、非常に手間がかかると感じる方も多いようです。
ネットワーク構成の見える化を達成する方法として、「トポロジーマップ」や「ラックビュー」などがあります。
トポロジーマップは、以下のように機器の接続関係を示した図です。トポロジーマップを用いることで、論理的な接続状況を簡単に把握することができます。台数が多くなると手動で作成するのは時間がかかるので、ツールを用いて作成を自動化するのが効率的です。
ステップ2: 各インフラ装置の状態や接続状況を『見える化』
ネットワーク構成の見える化が完成したら、次はそれらとそれぞれの機器や接続の状態を紐づけたいところです。あらゆるものがネットワークを介して提供される現代では、ネットワークの安定稼働へのニーズはますます高まっています。そうした状況下で、装置の状態や接続状況の見える化は、ネットワーク障害などのトラブル発生時に、障害ポイントやその影響範囲の把握の把握、原因の切り分けなどを迅速に行うために重要です。
ネットワーク構成図と機器の可用性やリソースの状態、接続トラフィックの状況などを組み合わせてマップ化するのが理想です。たとえば以下の例では、正常は緑、異常は赤(注意は黄色)というように色で状態を把握することができます。
また、データセンターなどで多数のサーバーを所有・管理している場合、以下のような「サーバーラックビュー」と呼ばれるマップも役立ちます。こちらもそれぞれのラックの状態を色で把握することができます。
ステップ3: レポートの統計データを『見える化』
ステップ1と2で、日頃のネットワーク運用やトラブルシューティングの見える化を実現しました。それ以外に、ネットワーク管理者として、週次や月次の報告レポート作成・提出を行う方も多いです。そのようなレポートにかかる工数はなるべく節約したい部分です。日々のネットワーク運用管理を見える化の仕上げとして、レポートも自動で見える化しましょう。
ここまでご紹介した『見える化』の例の画像は、すべてManageEngineが提供しているネットワーク監視ツール「OpManager」のものを使用しています。「OpManager」にはトポロジーマップの自動作成機能があり、機器の状態と連携したマップもドラッグ&ドロップなどの簡単な操作だけで作成できます。わかりやすい管理画面が特徴で、定期レポートの自動作成・送信機能など、便利な機能を多数備えております。サポートつきの評価版(無料)もご用意しておりますので、お気軽にお試しください。