ネットワーク障害がもたらす影響
さまざまな種類の機器がネットワークに接続されていることが当たり前となった昨今、社員が使用するPCのみならず、企業の重要なデータが保管されているファイルサーバーや業務システムが稼働するサーバーやプリンターまで、多くの機器がネットワークを介することで利用可能になっています。 ネットワークに障害が発生することは、すなわちビジネスの停滞や停止を意味します。
しかし、どんなに管理体制を強化しても障害をゼロにすることはできません。
ネットワーク障害の対策として、
- ネットワーク障害の原因が何かを知ること
- それぞれの原因への対処を事前に検討しておくこと
- 障害発生に素早く気づけるようになること
の3点が重要です。ここでは上記のポイントを踏まえて、ネットワーク障害の原因について詳しく解説します。
ネットワーク障害の原因とは?
企業ネットワークのように規模の大きいネットワークは、比較的多くの機器から構成されているケースが多いと考えられます。構成要素が多いと障害が発生した時に確認するべき箇所が増えてしまうため、復旧までに時間が掛かりがちです。
ネットワーク障害発生からの復旧時間を短くするためには、ネットワーク障害の原因が何かを知っておくことと、それぞれの原因への対処を事前に検討することが大切です。
ここからは、良くあるネットワーク障害の原因をご紹介します。
- ハードウェア障害によるネットワーク障害
- 設定ミスなど人的ミスによるネットワーク障害
- 帯域の占有によるネットワーク障害
- インターネット・SaaSなど外部の障害
ハードウェア障害によるネットワーク障害と対策
ハードウェア障害は、サーバー本体の故障やネットワークを構成するルーターやスイッチングハブなどの装置の故障、有線ネットワークを繋ぐLANケーブルの断絶などによって引き起こされます。
ハードウェア障害にいち早く気付くためには、普段からネットワークを構成する機器をそれぞれ監視し、平常時のパフォーマンスを把握しておくことが大切です。平常時のパフォーマンスを把握しておくことで、故障が発生する前に機器の負荷上昇やパフォーマンス悪化などによって予兆を検知できる可能性が高まります。 また、ネットワークの構成をネットワーク構成図などで可視化し、どこにどの機器が使用されているかの把握も欠かさずしておきましょう。
販売終了やサポート終了(EOL)になった古い機器は、誤動作または故障のリスクが高くなります。したがって、ネットワークの安定稼働のためには、機器のEOL情報なども確認する必要があります。
設定ミスなど人的ミスによるネットワーク障害と対策
人的ミスが原因のネットワーク障害は、ネットワーク機器のコンフィグの設定ミスやLANケーブルの差し違えなど、メンテナンスや構成変更時の些細な間違いによって発生します。
設定ミスやケーブル差し違えは、それだけでネットワークが使用不可になるような大きな障害に発展しがちです。しかしミスの規模自体は1行のコンフィグ設定やポート1つなどと小規模である場合が多いため、原因発見が遅れるケースも少なくありません。
人的ミスによるネットワーク障害の対策としては、設定変更やメンテナンスを行う範囲を事前に周知しておき、何が問題が起こった場合に、直前の設定変更やメンテナンスが原因ではないかと関連付けやすくすることです。構成の変更の履歴も、後から参照可能なように記録として残しておきましょう。
また、設定変更を行う担当者が誰か明確にしておき、担当者以外の人が安易に設定変更できないようにすることも重要です。担当者ごとに権限を付与し、操作可能な機器、機能を制限します。設定変更の反映は管理者の承認後にするなどの運用プロセスを作るなども対策として有効です。
関連ページ:ネットワーク障害の原因とは
帯域の占有によるネットワーク障害と対策
社内ネットワークにおいて誰か1人の社員が大量の帯域を消費すると、ネットワーク全体に影響が出る可能性があります。このような状況は、ネットワークを利用する他のユーザーの通信品質にも影響を与え、業務パフォーマンスの低下を引き起こします。
帯域が原因のネットワーク障害を見分けるためには、平常時のネットワークの利用状況を把握しておくことが大切です。また、不審な通信が流れていないか、業務と関係ない通信が帯域を圧迫していないかを確認するために、通信の内訳を把握できる仕組みを監視運用の中に取り入れることも有効です。
関連ページ:LANのトラフィックを計測する方法とは?
インターネット・SaaSなど外部の障害と対策
稀に、インターネットサービスプロバイダー(ISP)側の問題で外部のWebサービスなどに接続できなくなったり、Webサービス側で障害が発生してサービス自体が利用不可になることがあります。
Webサービスにアクセスできない場合、自分の端末や自ネットワークの問題であるかサービス側の問題であるかを見分けるためには、サービスプロバイダーの稼働状況の告知を確認したりSNSなどの投稿を確認してみると状況が明らかになるケースがあります。
障害に負けないネットワークを作るには
自社のネットワークを障害に負けない強いネットワークにするため必要なこととしては、
- ネットワーク機器を監視して平常時の稼働状況やパフォーマンスを把握
- ネットワーク構成を可視化
- 機器の設定変更履歴の記録・適切な権限管理
- 帯域使用量の監視・内訳把握
などが挙げられます。
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ネットワーク機器の死活監視・パフォーマンス監視にはOpManager
ネットワーク機器の設定(コンフィグ)管理にはNetwork Configuration Manager
帯域簡易・トラフィック解析にはNetFlow Analyzer