ネットワークとサーバーの違い
ネットワーク監視やサーバー監視の前提知識として、まずはネットワークとサーバーの違いについて解説します。
IT業界におけるネットワークとは、サーバーなどの複数のコンピューターが接続されて形成されるものを指します。
サーバーとは、サービスを提供するコンピューターまたはソフトウェアのことです。少しややこしいですが、サーバーはサービスを提供するコンピューター自体を指す場合と、そのようなサービスを提供するソフトウェアを指す場合の2パターンがあります。提供するサービスの種類により名前が付けられることがあり、例えばWebサーバー、データベースサーバー、アプリケーションサーバーなどが存在します。
サーバーはネットワークを介してサービスを提供しており、サーバーが役割を果たすにはネットワークの接続が不可欠です。このように、ネットワークとサーバーはそれぞれ違いますが、お互いに関わりがあります。
ネットワーク監視とサーバー監視の違い
ネットワーク監視とサーバー監視の違いについて、イラスト付でわかりやすく解説します。
ネットワーク監視とは
ネットワーク監視には、大きく分けて「死活監視」「経路監視」「状態監視」の3種類があります。
死活監視とは、ネットワーク機器やサーバー、システムが正常に稼働しているか監視することです。一般的に、機器の死活はPingコマンドを使用して確認します。ネットワーク機器やサーバーに対して、Pingコマンドを送り、その応答があるか無いかで死活を判断します。
経路監視とは、ネットワークのトラフィック量を監視することを指します。ネットワーク機器やサーバー監視を目的としたプロトコルであるSNMPなどを用いて計測します。
経路監視では、一般的に以下のような項目を監視します。
- パケット損失(パケットロス)
- ラウンドトリップ
- インターフェースに出入りするトラフィック量
- インターフェースの使用率
状態監視とは、ネットワークに接続されている機器のリソースを監視することです。経路監視と同様にSNMPなどを用いて、ネットワーク機器やサーバーのリソース使用状況を監視します。性能監視やパフォーマンス監視とも呼ばれます。
状態監視では、一般的に監視項目が多数存在します。その中でも最低限監視すべき項目として、以下のものが挙げられます。
- CPU使用率
- メモリー使用率
- ディスク使用率
- ハードウェアの温度
- バッファ使用数
- バッファミス回数 等
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サーバー監視とは
サーバー監視には、大きく分けて「正常監視」と「異常監視」があります。
正常監視とは、サーバーが正常に稼働していることを管理者へ知らせるものです。ツールを用いている場合、監視のステータスが画面上に表示されます。
異常監視とは、サーバーが正常に稼働していない場合に、管理者へ知らせるものです。通知手段はツールによって異なりますが、画面上やメール、警告灯での通知のほか、ビジネスチャットやヘルプデスクツールと連携して通知できる場合もあります。
これらのサーバー監視では、一般的に以下のような項目を監視します。
- サーバーの起動状態
- サーバーの起動時間
- リソース監視
- イベントログ、Syslog監視
- 稼働しているサービスやプロセスの状態(Webサーバー向け)
- ログ監視(Webサーバー向け)
ネットワーク監視とサーバー監視を実施するには
ネットワーク監視やサーバー監視の違いを理解したところで、それらを実施する方法について解説します。
Pingコマンドやsnmpwalkコマンドを用いて監視
もっとも基本的な監視として、コマンドプロンプトに監視対象機器のIPアドレスを入力してPingコマンドを実行する死活監視があります。
また、経路監視や状態監視も行う場合、SNMPなどの監視プロトコルを用いるのが一般的です。SNMPマネージャ用コマンドであるsnmpwalkコマンドを実行することで監視を実施できます。
手動で監視するか、ツールで監視するか
上記の監視を手動で実施することも可能ですが、工数負荷に気をつける必要があります。特に監視対象機器が多い場合、毎回手動で実施するのは効率的とは言えません。また、ネットワークやサーバーの障害は平日の業務時間外や休日に発生する可能性もあるため、基本的には常時監視する必要があります。
特に監視対象機器が10台以上ある場合、ツールを導入して自動で常時監視を実施したほうがいいでしょう。さまざまなツールが存在するので、予算やスキルに合わせて選定しましょう。
監視状況を可視化できる低価格帯のツール
ManageEngineでは、サーバーやネットワークの監視状況を『可視化』し、スキル不要で使いこなせるツール「OpManager」をご提供しています。物理/クラウド/仮想サーバーや各種ネットワーク機器をエージェント不要で一元監視できます。また、下記のような監視状況と連動したネットワークマップを簡単に作成できます。
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