Exchangeのパフォーマンス監視

WMIの認証情報を通して、Windows Server上で稼働するExchangeの各種パフォーマンスを監視できます。

目次

前提条件

装置でExchangeの監視を行うには、装置に有効なWMIの認証情報が関連付けられている必要があります。

対応するExchangeのバージョン

Exchange監視に対応するExchangeのバージョンは以下です。

  • Exchange 2019
  • Exchange 2016
  • Exchange 2013
  • Exchange 2010
  • Exchange 2007
  • Exchange 2003
  • Exchange 2000

監視できる項目

Exchangeのパフォーマンス監視で監視できる項目は以下の通りです。

    ここでは、Exchange 2019に対応する監視項目を記載しています。
    Exchange 2016以前のバージョンに対応する監視項目は、[設定]→[監視]→[アプリケーション]→[Exchange (バージョンの数字)]からご確認ください。
    アプリケーション監視

RPCクライアントアドレス監視

項目 説明
アクティブユーザーカウント 最新の2分間において何かの活動をしているユニークユーザの数
RPC平均遅延 過去1024パケットでの平均の待ち時間(ミリ秒)
RPCオペレーション/秒 1秒あたりに発生したRPCオペレーションのレート
RPC要求 RPCクライアントアクセスサービスにより現在処理中のクライアントリクエストの数

サブミッション監視

項目 説明
送信失敗(数/秒) 1秒あたりの失敗したサブミッションの数

POP3・IMAP監視

項目 説明
現在のIMAP接続 ExchangeサーバへのアクティブなIMAP接続の数
POPの現在の接続数 ExchangeサーバへのアクティブなPOP3接続の数

インフォメーションストア監視

項目 説明
スロウなRPC要求(%) すべてのRPCリクエストのうち遅いRPCリクエストのパーセンテージ
RPC平均遅延(ミリ秒) RPC平均遅延(ミリ秒)
RPC要求送信/秒 1秒あたりのRPC送信リクエスト数
未処理のRPC要求 未処理のRPCリクエスト
未処理のROPリクエスト 未処理のリモートオペレーションリクエストの合計数
RPC要求失敗(%) RPCリクエストの合計のうち失敗したリクエストのパーセンテージ
RPCスロウな要求の平均遅延 スロウな要求の平均遅延を監視します(ミリ秒)

空き時間情報サービス監視

項目 説明
1秒あたりのパブリックフォルダークエリ 1秒あたりのパブリックフォルダークエリは1秒あたりにパブリックフォルダーからフリービジー情報をリクエストしたメールボックス数
1秒あたりの可用性リクエスト 秒ごとの空き時間情報の要求件数とは、要求の対応ペースを指します(数/秒)。要求は、相手の人物の空き時間とビジー時間のみの場合もあれば、スケジュール提案を含むこともあります。要求1回で、複数メールボックスの情報を含んでいることもあります
1秒あたりのパブリックフォルダーリクエスト失敗 1秒あたりのパブリックフォルダー失敗とは、1秒あたりのパブリックフォルダーからフリービジー情報の取得に失敗したメールボックス数

OutLook Web Access監視

項目 説明
現在のユニークユーザー 現在、Outlook Web Accessにログインしているユニークユーザの数
平均応答時間 Exchangeからの応答取得の平均所要時間を監視します。
送信メッセージ Outlook Web Accessからの送信メッセージ数を監視します。
Requests Per Sec 現在、Outlook Web Accessにログインしているユニークユーザの数
現在のユーザー数 Outlook Web Accessにログオンしている現在のユーザー数
平均検索時間(ミリ秒) メッセージ検索の平均所要時間(ミリ秒)
要求エラー/秒 Outlook Web Accessアクセス中の要求エラー発生ペース(/秒)

予定表作成とリソース予約監視

項目 説明
平均カレンダーアテンダント処理時間 カレンダーアテンダントで、イベント1つの処理にかかる平均時間
カレンダーアテンダント要求エラー カレンダーアテンダントがイベントを処理している間に発生した、要求エラーの総数

レプリケーション監視

項目 説明
ログ再生追跡不能 ログ再生が遅れており、ログのコピーや検査についていけない場合は、1を示します。
コピーキュー長 パッシブコピーログファイルフォルダーへのコピーを待期しているログファイルの数
ログ再生速度(生成) ログファイル再生の発生速度(/秒)
ログコピーKB/秒 ログファイルコピーの速度(KB/秒)
再生キュー長 パッシブコピーへの再生を待期しているトランザクションログファイルの数

トランスポート監視

項目 説明
拒否メッセージ 拒否されたメッセージの数
外部の集約配信キュー長(全クエリ) すべての外部キューのうち送信のためキューに入れられたメッセージの数
外部の再試行リモート配信キュー長 リモート送信の外部キューのリトライの項目の数
削除メッセージ 削除されたメッセージの数
メッセージ配信完了ペース(数/秒) 1秒あたりに送られたメッセージの数
メッセージ受信バイト/秒 SMTP送信コネクターの、メッセージ受信速度(バイト/秒)
アクティブメールボックス配信キュー長 アクティブなメールボックスキューの項目数
外部のアクティブリモート配信キュー長 アクティブなリモート送信の外部キューのメッセージの数
送信キュー長 サブミッションキューのメッセージ数
1秒あたりの投稿メッセージ 1秒あたりにサブミッションキューへキューを追加したメッセージ数
メッセージ送信バイト/秒 SMTP送信コネクターの、メッセージ送信速度(バイト/秒)
内部の再試行リモート配信キュー長 リモート送信の内部キューのリトライの項目の数
メールボックス送信リトライキューの長さ メールボックス配信再試行キューのリトライ回数
内部の集約配信キュー長(全クエリ) すべての内部キューのうち送信のためキューに入れられたメッセージの数
メッセージ送信/秒 1秒あたりにSMTP送信コネクターにより送信したメッセージ数
現在のアウトバウンド接続 SMTP送信コネクターからのアウトバウンド接続数
内部のアクティブリモート配信キュー長 アクティブなリモート送信の内部キューのメッセージの数
有害キュー長 ポイズンメッセージキューのメッセージ数
メッセージ受信/秒 1秒あたりにSMTPサーバーより受信したメッセージ数
1秒あたり送信キューアイテム 1秒あたりの送信キューの項目
検疫メッセージ 検疫されたメッセージの数
1秒あたり送信キューメッセージ 1秒あたりに送信されたメッセージキュー
現在のインバウンド接続 現在の接続数はSMTPサーバーへのインバウンド接続数

Exchangeデータベース監視

項目 説明
ログレコードストール(数/秒) ログバッファーがフルのためログバッファーに追加できなかった1秒あたりのログレコードの数
データベースキャッシュサイズ (MB) ファイルオペレーションを防ぐためデータベースファイルから共通に使われている情報を保持するためデータベースキャッシュマネージャによって使用されているシステムメモリ(MB)の量
データベースページフォールトストール(数/秒) データベースキャッシュから新しいページを割り当てられたデータベースキャッシュマネージャの必要なデータベースファイルページリクエストのレート
トランスポートログレコードストール/秒 ログバッファー満杯時、ログバッファーへのログバッファー追加不能の発生速度(/秒)
I/Oログ書き込み平均遅延 アクティブなログファイルにログバッファーを書き込む平均時間(ミリ秒)
待機中のトランスポートログスレッド データベース更新完了のため、ログへのデータ書き込みを待期しているスレッドの数
データベースキャッシュヒット率 ファイルオペレーションなしにデータベースキャッシュを満たしたデータベースファイルページリクエストのパーセンテージ
トランスポート割り当て済みバージョンバケット 割り当て済みのバージョンバケットの総数
I/Oデータベース書き込み平均遅延 データベース書き込み操作の平均所要時間(ミリ秒)
I/Oデータベース読み込み平均遅延 データベース読み込み操作の平均所要時間(ミリ秒)
I/Oログ読み込み平均遅延 ログファイルからのデータ読み込み平均所要時間

ユニファイドメッセージングのパフォーマンス監視

項目 説明
全コール/秒 最新の1秒間において到着した新しいコールの数
成功した有効なFaxコール(%) 成功したファクスコールのリクエストのパーセンテージ
最新1時間あたりのUMワーカープロセスにより拒否された着信呼び出し(%) 最新1時間においてUMワーカープロセスにより拒否されたインバウンドコールのパーセンテージ
UMサービスに拒否された全インバウンドコール サービスが開始されたためMicrosoft Exchange Unified Messaging Serviceにより拒否されたインバウンドコールの合計数
現在のコール UMサーバに現在接続しているコールの数
最新1時間あたりのメールボックス接続に失敗した試み(%) 最新1時間において失敗したメールボックス接続の試みのパーセンテージ
6秒ごとの操作件数 完了に6秒以上かかったすべてのUMオペレーションの数
回復できない内部エラーにより切断されたコール 内部のシステムエラーが発生した後、切断されたコールの数

エッジトランスポートのインスタンス監視

項目 説明
データベースページフォールトストール(数/秒) データベースキャッシュから割り当てられるページがなく利用できないページ失敗の割合
I/Oデータベース読み込み(数/秒) データベース読み込み操作の完了率
I/Oログ読み込み(数/秒) ログファイル読み込み操作の完了率
I/Oデータベース書き込み(数/秒) データベース書き込み操作の完了率
I/Oログ書き込み(数/秒) ログファイル書き込み操作の完了率

ActiveSync監視

項目 説明
同期コマンド Exchange Serverでの、同期コマンド起動速度(/秒)
メール送信コマンド Exchange Serverでの、メール送信コマンド起動速度(/秒)
保留pingコマンド Exchange Serverで保留中のpingコマンドの数
平均要求時間 Exchange Serverへの要求の平均所要時間
検索コマンド Exchange Serverでの、検索コマンド起動速度
1秒あたりのリクエスト ASP.NET経由でクライアントから受信した1秒あたりのHTTPリクエストの数
ペンディングコマンドを同期 サーバで現在ペンディングしている同期コマンドの数
メールボックス検索 Exchange Serverでの、メールボックス検索実行速度
現在のリクエスト Exchange Serverでの、メールボックス検索実行速度
メールボックスアイテム取得コマンド/秒 Exchange Serverでの、メールボックスアイテム取得コマンド起動速度

インフォメーションストアパブリックフォルダー監視

項目 説明
ディスクの使用領域 インフォメーションストアパブリックフォルダーで使用しているディスク領域(MB)

インフォメーションストアメールボックス監視

項目 説明
ディスクの使用領域 インフォメーションストアメールボックスが使用しているディスク領域(MB)

インフォメーションストアのインスタンス監視

項目 説明
I/Oログ読み込み(数/秒) ログファイル読み込み操作の完了率
I/Oデータベース書き込み(数/秒) データベース書き込み操作の完了率
I/Oログ書き込み(数/秒) ログファイル書き込み操作の完了率
I/Oデータベース読み込み(数/秒) データベース読み込み操作の完了率
データベースページフォールトストール(数/秒) データベースキャッシュから割り当てられるページがなく利用できないページ失敗の割合

監視概要の閲覧

装置に追加したExchangeのパフォーマンス監視の一覧は、装置の概要ページの[監視]→[Exchange監視]から確認できます。

Exchangeパフォーマンス監視

また、装置の概要ページの[Exchange]タブでは、サービス監視を含むExchange監視全般の内容を確認できます。

Exchangeタブ

監視設定

ここでは、Exchangeのパフォーマンス監視の設定方法について説明します。

監視の追加

Exchangeのパフォーマンス監視の追加方法は以下の通りです。

特定の装置に追加する場合

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Exchange監視]に移動します。
    Exchange監視の追加方法1
  3. 画面右上の[アクション]から、[追加 監視]をクリックします。
    追加できる監視項目の一覧が表示されます。
    Exchange監視の追加方法2
  4. [Exchangeタイプの選択]から、監視するExchangeのバージョンを選択します。
  5. 追加するExchangeのパフォーマンス監視にチェックを入れます。
  6. 必要に応じて[監視間隔(分)]と[しきい値]を入力します。
    この方法でしきい値を追加した場合、入力したしきい値の重要度は[重大]に指定され、
    リアーム値は"(入力したしきい値)-1"が指定されます。
    しきい値の編集方法については、監視の編集をご参照ください。
  7. [追加]をクリックします。

複数の装置に一括で追加する場合

この方法で監視を追加できるのは、既に1つ以上のExchangeのパフォーマンス監視を持つ装置に対してのみです。
初めて監視を追加する場合は、特定の装置に追加する場合の手順を実施してください。
  1. [設定]→[監視]→[アプリケーション]→[Exchange (バージョンの数字)]に移動します。
    Exchangeのパフォーマンス監視リスト
  2. 追加するExchangeのパフォーマンス監視の全てにチェックを入れます。
  3. 必要に応じてそれぞれの監視の[監視間隔]と[しきい値]を入力して、[保存 設定]をクリックします。
    この方法でしきい値を追加した場合、入力したしきい値の重要度は[重大]に指定され、
    リアーム値は"(入力したしきい値)-1"が指定されます。
    しきい値の編集方法については、監視の編集をご参照ください。
  4. 追加するExchangeのパフォーマンス監視の全てに再びチェックを入れ、[適用 設定]をクリックします。
    監視を追加する装置を選択するページが画面右側に開かれます。
    装置の選択ページ
  5. 監視を追加する装置を、[使用可能な装置]から[選択済みの装置]に移動します。
  6. [保存]をクリックします。

監視の削除

Exchangeのパフォーマンス監視を削除するには、以下の手順を実施します。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに異動します。
  2. [監視]→[Exchange監視]に移動します。
    Exchangeパフォーマンス監視の削除
  3. 削除する監視にチェックを入れ、[アクション]→[削除 監視]をクリックします。

監視の編集

装置に追加したExchangeのパフォーマンス監視の監視間隔またはしきい値を編集するには、以下の手順を実施します。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Exchange監視]に移動します。
    Exchangeパフォーマンス監視の編集
  3. 設定を編集する監視の[アクション]から、編集アイコン編集アイコンをクリックします。
    監視設定の編集項目が画面左側に表示されます。
    監視設定の編集項目
  4. 必要に応じて設定を編集します。
    しきい値設定の詳細は、以下をご参照ください。
    項目 説明
    重要度 しきい値の重要度を指定します。
    重要度の度合いは「重大>警告>注意」です。
    条件 以下のいずれかの演算子を用いて条件を指定します。
    > : しきい値を上回る場合
    = : しきい値と等しい場合
    < : しきい値を下回る場合
    != : しきい値と異なる場合
    リアーム値 リアーム値を入力します。
    アラートが発生している状態でリアーム値に指定した条件を満たすと、アラートがクリアされます。
    しきい値 それぞれの重要度のアラートが発生する条件となるしきい値を入力します。
    メッセージ アラートの本文(メッセージ)を必要に応じて編集します。
    連続回数 アラートが発生するまでの連続したしきい値違反の回数を指定します。
    監視する値がここで指定した回数連続してしきい値に違反した場合にのみ、アラートが発生します。
    連続回数が適用されるのはしきい値のみで、リアーム値は適用の対象外です。
    連続回数の設定によらず、一度でもリアーム値の条件を満たすとアラートはクリアされます。
  5. [保存]をクリックします。

グラフとレポート

Exchangeのパフォーマンス監視で収集したデータは、グラフまたはレポートで閲覧することができます。

グラフの閲覧

装置に追加したExchangeのパフォーマンス監視のグラフは、以下の手順で確認できます。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Exchange監視]に移動します。
    Exchangeパフォーマンス監視の編集
  3. グラフを閲覧する監視の[アクション]から、グラフアイコングラフアイコンをクリックします。
  4. 監視のグラフが表示されます。
    Exchangeパフォーマンス監視のグラフ

レポートの作成

Exchangeのパフォーマンス監視のグラフは、レポートにすることも可能です。

  1. グラフの閲覧の手順を実施します。
    ADパフォーマンス監視のレポート
  2. 以下のいずれかの手順でレポートを作成します。

    レポート


    画面右上の[エクスポート]をクリックし、PDF形式またはExcel形式でエクスポートします。
    PDF形式ではグラフが、Excel形式ではテーブルデータがエクスポートされます。

    スケジュールレポート


    右上の[スケジュールレポート]をクリックし、各種情報を入力しレポートのスケジューリングを行います。
    保存したスケジュールレポート設定は、[レポート]→[OpManager]→[スケジュールレポート]から閲覧できます。

監視の通知

しきい値を設定しているExchangeのパフォーマンス監視でしきい値違反が起きた場合、アラートが発生します。
通知プロファイルを設定しておくと、発生したアラート情報を外部に通知することができます。
通知プロファイルの詳細はこちらをご参照ください。

通知プロファイルでの条件設定

Exchangeのパフォーマンス監視におけるしきい値違反を通知するには、通知プロファイルの条件設定のページで、以下を指定します。

  • [次のExchange監視がダウンしたとき]の[選択済み]から、しきい値違反を通知する監視をチェックして[完了]をクリックします。
  • [通知を行う重要度]で、設定したしきい値の重要度をチェックします。
  • アラートがクリアされた際にも通知を行う場合は、[アラートのステータスがクリアになったとき]をチェックします。
Exchange パフォーマンス監視の通知
       概要