MSSQLのパフォーマンス監視
WMIの認証情報を通して、Windows Server上で稼働するMSSQLの各種パフォーマンスを監視できます。
目次
前提条件
装置でMSSQLの監視を行うには、装置に有効なWMIの認証情報が関連付けられている必要があります。
監視できる項目
MSSQLのパフォーマンス監視で監視できる項目は以下の通りです。
メモリ監視
項目 | 説明 |
---|---|
未処理のメモリ付与 | メモリ取得に成功したプロセスの総数 |
総コミットメモリ | バッファーからコミットされたメモリ |
オプティマイザーメモリ | サーバーがクエリの最適化に使用しているダイナミックメモリー量 |
付与ワークスペースメモリ | ハッシュ、ソート、バルクコピー、インデックス作成操作などのプロセスを実行するために与えられた合計メモリ量 |
ワークテーブル作成/秒 | ワークテーブル作成の発生速度 |
必要な超過コミットメモリー合計 | SQL Serverサーバーが効率稼働のため必要とする総コミット済みメモリの超過量 |
接続メモリ | サーバーが接続を維持するために使用している合計ダイナミックメモリー量 |
保留中のメモリ付与 | ワークスペースメモリ付与を待期している、プロセスの数 |
ロックメモリ | サーバーがロックに使用している合計ダイナミックメモリ量 |
ターゲットサーバーメモリ | SQL Serverが効率稼働のため必要とするメモリの量 |
SQLキャッシュメモリ | サーバーがダイナミックなSQLキャッシュにしようしている合計ダイナミックメモリ量 |
ワークファイル作成/秒 | ワークファイル作成の発生速度 |
関連ロック監視
項目 | 説明 |
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1秒あたりのデッドロック数 | デッドロックを引き起こした1秒あたりのロックリクエスト数 |
ロック要求/秒 | ロックマネージャーからリクエストされた1秒あたりの新しいロックとロック変換数 |
総ラッチ待機時間(ミリ秒) | 最新1秒で、トランザクションすべてにわたりロックの取得を待期していた時間の合計 |
ロックタイムアウト/秒 | NOWAITロック要求を除く、タイムアウトを起こした1秒当たりのロック要求数 |
平均ロック待ち時間 | 待ちを引き起こしたロック要求の平均待ち時間 |
ロック待期/秒 | 呼び出し側が待ちを必要とした1秒あたりのロックリクエスト数 |
デッドロックあたりのロックリクエスト | 1秒あたりのデッドロックを引き起こしたロックリクエスト数 |
ラッチ待機/秒 | すぐには許可されないラッチリクエスト数 |
平均ラッチ待ち時間 | ラッチリクエストが待たなければならなかった平均ラッチ待ち時間(ミリ秒) |
キャッシュ監視
項目 | 説明 |
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プロシージャキャッシュページ | キャッシュオブジェクトによって使用される8キロバイト(KB)のページ数(SQL 2000とSQL 7.0サーバーのみ) |
キャッシュヒット率 (SQL 2005 Server) | キャッシュヒットとルックアップの割合 |
MSSQLキャッシュカウント | MSSQL合計キャッシュカウント(SQL 2000とSQL 7.0サーバーのみ) |
キャッシュヒット率 | キャッシュヒットとルックアップの割合 |
MSSQLキャッシュカウント (SQL 2005 Server) | MSSQL合計キャッシュカウント(SQL 2005 Serverのみ) |
1秒あたりの使用キャッシュ | 1秒あたりの使用したMSSQLキャッシュ(SQL 2000とSQL 7.0サーバーのみ) |
一般監視
項目 | 説明 |
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アクティブなデータベース接続 | MSSQL合計データベース接続数 |
1秒あたりのページスプリット | 1秒あたりのページ分割数 |
自動パラメーター化エラー/秒 | 自動パラメーター化の試みエラーの発生速度 |
レンジスキャン/秒 | 1秒あたりのインデックスを介した範囲制限スキャン数 |
SQL再コンパイル/秒 | ステートメント再コンパイルの実行回数 |
1秒あたりのログアウト数 | MS SQLのユーザーログアウト発生ペース |
SQLコンパイル/秒 | コンパイルコードパスを入力した回数 |
装置スループット(KB/秒) | バックアップ装置がデータベースのバックアップやリストア時に使用する読み書き操作のスループット(1秒当たりのバイト数) |
実行時間最長のトランザクション | 実行時間が一番長かったトランザクション(秒) |
エラー/秒 | エラーの発生速度 |
プローブスキャン/秒 | 完全スキャンを実行中のプローブスキャン |
競合/秒 | MS SQLのコンフリクトの発生ペース(数/秒) |
バッチ要求/秒 | 1秒あたりに受信したTransact-SQLコマンドのバッチ数 |
フルスキャン/秒 | 1秒あたりの無制限の完全スキャン数(base-tableまたはfull-indexスキャン) |
バッファー 監視
項目 | 説明 |
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ページ合計 | 合計監視数 |
1秒あたりのページ書き込み | 1秒当たりに発行した物理データベースページの書き込み数 |
ページ平均余命 | ある1ページが、参照されることなくバッファープールに残り続けている平均時間(秒) |
空きページ | すべてのフリーリストのページ数 |
ページチェックポイント/秒 | 更新ページを消去することを必要とするチェックポイント、または他の操作により、1秒あたりにディスクにフラッシュした回数 |
バッファーキャッシュヒット率 | ディスクからの読み込みを受けずに、バッファープールで見つかったページの割合 |
レイジーな書き込み/秒 | 1秒あたりのLazy Writerプロセスがバッファー領域を空けるために、バッファーからディスクにページを動かした回数 |
データベースページ | データベースのコンテンツでバッファープールにあるページ数 |
空きリストのストール/秒 | 要求の空きページ待期の発生レート(/秒) |
ページ参照/秒 | ページ参照実行の発生速度(/秒) |
1秒あたりのページ読み込み | すべてのデータベースを通して物理ページの読み込み数 |
データベース監視
項目 | 説明 |
---|---|
ログファイル使用率 | データベースでのすべてのログファイルの使用サイズ率 |
ログファイル空き領域 | データベースでのすべてのログファイルの空きサイズ |
ログファイル空きサイズ(GB) | データベースにあるログファイルの使用可能スペース全体(GB) |
1秒あたりのトランザクション | 1秒あたりのデータベースでの合計開始トランザクション数 |
ログの膨張 | データベースのトランザクションログが拡張された合計回数 |
ログファイル使用領域 | データベースでのすべてのログファイルの使用サイズ |
アクティブトランザクション | データベースのアクティブトランザクション数 |
ログの収縮 | データベースのトランザクションログが圧縮された合計回数 |
データファイルサイズ(GB) | データベースにある、すべてのデータファイル累積サイズ(GB) |
ログキャッシュヒット率 | ログキャッシュのヒット率 |
ログファイルサイズ(GB) | データベースにあるログファイルサイズ全体(GB) |
データファイルサイズ | 自動増加を含むデータベースのすべてのデータファイルの合計累積サイズ |
リソースプール統計監視
項目 | 説明 |
---|---|
書き込みごと平均ディスク時間 | ディスクでの1回の書き込みアクションの平均時間(秒) |
読み込みごと平均ディスク時間 | ディスクでの1回の読み込みアクションの平均時間(秒) |
監視概要の閲覧
装置に追加したMSSQLのパフォーマンス監視の一覧は、装置の概要ページの[監視]→[MSSQL]から確認できます。
画面右上の[選択されたインスタンス]から、監視情報を表示するインスタンスの切り替えが可能です。
また、装置の概要ページの[MSSQL]タブでは、サービス監視を含むMSSQL監視全般の内容を確認できます。
監視設定
ここでは、MSSQLのパフォーマンス監視の設定方法について説明します。
監視の追加
MSSQLのパフォーマンス監視の追加方法は以下の通りです。
自動で追加される場合
MSSQLが稼働している装置のディスカバリー時に有効なWMIが関連付けられている場合、基本的なMSSQLのパフォーマンス監視とサービス監視が自動で追加されます。
特定の装置に追加する場合
- [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
- [監視]→[MSSQL]に移動します。
-
画面右上の[アクション]から、[追加 監視]をクリックします。
追加できる監視項目の一覧が表示されます。 - [インスタンス]から、パフォーマンス監視を追加するMSSQLのインスタンスを選択します。
- 追加するMSSQLのパフォーマンス監視にチェックを入れます。
- 必要に応じて[監視間隔(分)]と[しきい値]を入力します。
- [追加]をクリックします。
複数の装置に一括で追加する場合
初めて監視を追加する場合は、特定の装置に追加する場合の手順を実施してください。
- [設定]→[監視]→[アプリケーション]→[MS SQL]に移動します。
- 追加するMSSQLのパフォーマンス監視の全てにチェックを入れます。
- 必要に応じてそれぞれの監視の[監視間隔]と[しきい値]を入力して、[保存 設定]をクリックします。
-
追加するMSSQLのパフォーマンス監視の全てに再びチェックを入れ、[適用 設定]をクリックします。
監視を追加する装置を選択するページが画面右側に開かれます。 - 監視を追加する装置を、[使用可能な装置]から[選択済みの装置]に移動します。
- [保存]をクリックします。
監視の削除
MSSQLのパフォーマンス監視を削除するには、以下の手順を実施します。
- [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに異動します。
- [監視]→[MSSQL]に移動します。
- 削除する監視にチェックを入れ、[アクション]→[削除 監視]をクリックします。
監視の編集
装置に追加したMSSQLのパフォーマンス監視の監視間隔またはしきい値を編集するには、以下の手順を実施します。
- [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
- [監視]→[MSSQL]に移動します。
-
設定を編集する監視の[アクション]から、編集アイコン監視設定の編集項目が画面左側に表示されます。
をクリックします。
-
必要に応じて設定を編集します。
しきい値設定の詳細は、以下をご参照ください。項目 説明 重要度 しきい値の重要度を指定します。
重要度の度合いは「重大>警告>注意」です。条件 以下のいずれかの演算子を用いて条件を指定します。
> : しきい値を上回る場合
= : しきい値と等しい場合
< : しきい値を下回る場合
!= : しきい値と異なる場合
リアーム値 リアーム値を入力します。
アラートが発生している状態でリアーム値に指定した条件を満たすと、アラートがクリアされます。しきい値 それぞれの重要度のアラートが発生する条件となるしきい値を入力します。 メッセージ アラートの本文(メッセージ)を必要に応じて編集します。 連続回数 アラートが発生するまでの連続したしきい値違反の回数を指定します。
監視する値がここで指定した回数連続してしきい値に違反した場合にのみ、アラートが発生します。連続回数が適用されるのはしきい値のみで、リアーム値は適用の対象外です。
連続回数の設定によらず、一度でもリアーム値の条件を満たすとアラートはクリアされます。 - [保存]をクリックします。
グラフとレポート
MSSQLのパフォーマンス監視で収集したデータは、グラフまたはレポートで閲覧することができます。
グラフの閲覧
装置に追加したMSSQLのパフォーマンス監視のグラフは、以下の手順で確認できます。
- [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
- [監視]→[MSSQL]に移動します。
-
グラフを閲覧する監視の[アクション]から、グラフアイコン
をクリックします。
- 監視のグラフが表示されます。
レポートの作成
MSSQLのパフォーマンス監視のグラフは、レポートにすることも可能です。
- グラフの閲覧の手順を実施します。
-
以下のいずれかの手順でレポートを作成します。
レポート
画面右上の[エクスポート]をクリックし、PDF形式またはExcel形式でエクスポートします。PDF形式ではグラフが、Excel形式ではテーブルデータがエクスポートされます。スケジュールレポート
右上の[スケジュールレポート]をクリックし、各種情報を入力しレポートのスケジューリングを行います。
保存したスケジュールレポート設定は、[レポート]→[OpManager]→[スケジュールレポート]から閲覧できます。
監視の通知
しきい値を設定しているMSSQLのパフォーマンス監視でしきい値違反が起きた場合、アラートが発生します。
通知プロファイルを設定しておくと、発生したアラート情報を外部に通知することができます。
通知プロファイルの詳細はこちらをご参照ください。
通知プロファイルでの条件設定
MSSQLのパフォーマンス監視におけるしきい値違反を通知するには、通知プロファイルの条件設定のページで、以下を指定します。
- [次のMS SQL監視がダウンしたとき]の[選択済み]から、しきい値違反を通知する監視をチェックして[完了]をクリックします。
- [通知を行う重要度]で、設定したしきい値の重要度をチェックします。
- アラートがクリアされた際にも通知を行う場合は、[アラートのステータスがクリアになったとき]をチェックします。