Active Directoryのパフォーマンス監視

WMIの認証情報を通して、ドメインコントローラーで稼働するAdcive Directoryの各種パフォーマンスを監視できます。

目次

前提条件

装置でActive Directoryの監視を行うには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 有効なWMIの認証情報が関連付けられている
  • 監視を行う装置のカテゴリが[ドメインコントローラー]である
    認証情報により装置カテゴリが自動で[ドメインコントローラー]に設定される場合もあります。

装置カテゴリを手動で設定する手順は以下の通りです。

特定の装置のカテゴリを変更する場合

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに異動します。
  2. 画面右上のハンバーガーアイコンハンバーガーアイコンから、[装置情報の編集]をクリックします。
    装置情報の編集
  3. [カテゴリ]を[ドメインコントローラー]に変更して[保存]をクリックします。
  4. 装置の概要ページの[装置概要]→[カテゴリ]が[ドメインコントローラー]になっていることを確認します。

複数の装置のカテゴリを一括で変更する場合

  1. [設定]→[設定]→[装置カテゴリ]に移動します。
    ドメインコントローラーのカテゴリ
  2. 装置カテゴリ[ドメインコントローラー]の[アクション]タブにあるインポートアイコンインポートアイコンをクリックします。
  3. [ドメインコントローラー]にカテゴリを変更する装置を[使用可能な装置]から[選択した装置]に移動して、[保存]をクリックします。

監視できる項目

Active Directoryのパフォーマンス監視で監視できる項目は以下の通りです。

監視できる項目は、[設定]→[監視]→[アプリケーション]→[Active Directory]からも確認できます。
アプリケーション監視

システム監視

項目 説明
ディスク使用率 データベースの使用率
メモリー使用率 メモリー使用率合計
OSプロセッサーキュー長 すべてのプロセス上の実行を待つプロセススレッド数(プログラム実行単位)
プロセス数 システム上でアクティブなアプリケーションとサービス数
CPU使用率(%) CPU使用率合計

DFSRプロセス監視

項目 説明
DFSRプロセスメモリ 利用中の総物理メモリ量を監視します。
DFSR CPU使用率 プロセスのCPU使用率を監視します。
DFSRハンドル数 プロセスが開いているハンドルの総数です。プロセスにある全スレッドで開いているスレッドの合計と等しくなります。
DFSRプロセスファイル書き込み速度 DFSRプロセスファイルの書き込みレートを監視します。
DFSRプロセスファイル読み込み速度 DFSRプロセスファイルの読み込みレートを監視します。

ネットワーク監視

項目 説明
LDAPクライアントセッション LDAPクライアントセッション数合計
クライアント数 このサーバーが接続しているクライアント数
アドレス帳クライアントセッション アドレスブックに接続したクライアントセッション数
LDAP Active Threads LDAPアクティブスレッド数
DS通知キューサイズ キューに入った、クライアントに転送されていない待ち更新通知数
LDAPバインド成功/秒 LDAPバインド成功の速度を指します(/秒)
LDAPバインド時間 LDAPバインド経過時間

NTFRSプロセス監視

項目 説明
NTFRSプロセスメモリ 物理メモリーの合計使用容量
NTFRSプロセスのファイル読み込み NTFRSプロセスのファイル読み込み
NTFRSプロセスのファイル書き込み NTFRSプロセスのファイル書き込み
NTFRSのCPU使用率 プロセスのCPU使用率
NTFRSハンドル数 現在のプロセスのスレッド毎のハンドル数の合計

パフォーマンスカウンター監視

項目 説明
Kerberos認証 1秒あたりのKerberos認証数
レプリケーション Out オブジェクト(合計) Active Directory複製合計出力オブジェクト数を監視します
LDAP UDPオペレーション LDAP新規接続数
レプリケーション送信トラフィック Active Directoryレプリケーション送信トラフィック
NTLM認証 1秒あたりのNTLM認証数
ディレクトリ読み込み Active Directory読み込み数を監視します
DSサーバーバインド Active Directoryドメインサービスサーバーバインド数
DSクライアントバインド Active Directoryドメインサービスクライアントバインド数
LDAP書き込み LDAP書き込み数
DRAインバウンド残存完全同期オブジェクト 完全同期の完了まで残存しているオブジェクトの数を指します。
レプリケーション受信トラフィック Active Directoryレプリケーション受信トラフィック
LDAP検索 LDAP検索数
レプリケーション受信オブジェクト(合計) Active Directoryレプリケーション合計入力オブジェクト数
ディレクトリ書き込み Active Directory書き込み数
使用中のDSスレッド ディレクトリサービスが現在利用しているスレッドの数です。

データベース監視

項目 説明
残りのレプリケーションオブジェクト Active Directoryレプリケーション残りオブジェクト
Replication Objects Applied Active Directoryレプリケーション適用オブジェクト数
データベース空き領域 データベース空き領域
データベースサイズ データベースファイルサイズ(NTDS.dit)
データベース合計サイズ データベースサイズ

LSASSプロセス監視

項目 説明
LSASSプロセスのファイル読み込み LSASSプロセスのファイル読み込み
LSASSプロセスのメモリ 物理メモリーの合計使用容量
LSASSのCPU使用率 プロセスのCPU使用率
LSASSハンドル数 現在のプロセスのスレッド毎のハンドル数の合計
LSASSプロセスのファイル書き込み LSASSプロセスのファイル書き込み

監視概要の閲覧

装置に追加したActive Directoryのパフォーマンス監視の一覧は、装置の概要ページの[監視]→[Active Directory監視]から確認できます。

ADパフォーマンス監視

また、装置の概要ページの[AD]タブでは、サービス監視を含むActive Directory監視全般の内容を確認できます。

ADタブ

監視設定

ここでは、Active Directoryのパフォーマンス監視の設定方法について説明します。

監視の追加

Active Directoryのパフォーマンス監視の追加方法は以下の通りです。

特定の装置に追加する場合

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Active Directory監視]に移動します。
    Active Directory監視の追加方法1
  3. 画面右上の[アクション]から、[追加 監視]をクリックします。
    追加できる監視項目の一覧が表示されます。
    Active Directory監視の追加方法2
  4. 追加するActive Directoryのパフォーマンス監視にチェックを入れます。
  5. 必要に応じて[監視間隔(分)]と[しきい値]を入力します。
    この方法でしきい値を追加した場合、入力したしきい値の重要度は[重大]に指定され、
    リアーム値は"(入力したしきい値)-1"が指定されます。
    しきい値の編集方法については、監視の編集をご参照ください。
  6. [追加]をクリックします。

複数の装置に一括で追加する場合

  1. [設定]→[監視]→[アプリケーション]→[Active Directory]に移動します。
    Active Directoryのパフォーマンス監視リスト
  2. 追加するActive Directoryのパフォーマンス監視の全てにチェックを入れます。
  3. 必要に応じてそれぞれの監視の[監視間隔]と[しきい値]を入力して、[保存 設定]をクリックします。
    この方法でしきい値を追加した場合、入力したしきい値の重要度は[重大]に指定され、
    リアーム値は"(入力したしきい値)-1"が指定されます。
    しきい値の編集方法については、監視の編集をご参照ください。
  4. 追加するActive Directoryのパフォーマンス監視の全てに再びチェックを入れ、[適用 設定]をクリックします。
    監視を追加する装置を選択するページが画面右側に開かれます。
    装置の選択ページ
  5. 監視を追加する装置を、[使用可能な装置]から[選択済みの装置]に移動します。
  6. [保存]をクリックします。

監視の削除

Active Directoryのパフォーマンス監視を削除するには、以下の手順を実施します。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに異動します。
  2. [監視]→[Active Directory監視]に移動します。
    Active Directoryパフォーマンス監視の削除
  3. 削除する監視にチェックを入れ、[アクション]→[削除 監視]をクリックします。

監視の編集

装置に追加したActive Directoryのパフォーマンス監視の監視間隔またはしきい値を編集するには、以下の手順を実施します。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Active Directory監視]に移動します。
    Active Directoryパフォーマンス監視の編集
  3. 設定を編集する監視の[アクション]から、編集アイコン編集アイコンをクリックします。
    監視設定の編集項目が画面左側に表示されます。
    監視設定の編集項目
  4. 必要に応じて設定を編集します。
    しきい値設定の詳細は、以下をご参照ください。
    項目 説明
    重要度 しきい値の重要度を指定します。
    重要度の度合いは「重大>警告>注意」です。
    条件 以下のいずれかの演算子を用いて条件を指定します。
    > : しきい値を上回る場合
    = : しきい値と等しい場合
    < : しきい値を下回る場合
    != : しきい値と異なる場合
    リアーム値 リアーム値を入力します。
    アラートが発生している状態でリアーム値に指定した条件を満たすと、アラートがクリアされます。
    しきい値 それぞれの重要度のアラートが発生する条件となるしきい値を入力します。
    メッセージ アラートの本文(メッセージ)を必要に応じて編集します。
    連続回数 アラートが発生するまでの連続したしきい値違反の回数を指定します。
    監視する値がここで指定した回数連続してしきい値に違反した場合にのみ、アラートが発生します。
    連続回数が適用されるのはしきい値のみで、リアーム値は適用の対象外です。
    連続回数の設定によらず、一度でもリアーム値の条件を満たすとアラートはクリアされます。
  5. [保存]をクリックします。

グラフとレポート

Active Directoryのパフォーマンス監視で収集したデータは、グラフまたはレポートで閲覧することができます。

グラフの閲覧

装置に追加したActive Directoryのパフォーマンス監視のグラフは、以下の手順で確認できます。

  1. [インベントリ]でカテゴリを変更する装置をクリックし、装置の概要ページに移動します。
  2. [監視]→[Active Directory監視]に移動します。
    Active Directoryパフォーマンス監視の編集
  3. グラフを閲覧する監視の[アクション]から、グラフアイコングラフアイコンをクリックします。
  4. 監視のグラフが表示されます。
    Active Directoryパフォーマンス監視のグラフ

レポートの作成

Active Directoryのパフォーマンス監視のグラフは、レポートにすることも可能です。

  1. グラフの閲覧の手順を実施します。
    ADパフォーマンス監視のレポート
  2. 以下のいずれかの手順でレポートを作成します。

    レポート


    画面右上の[エクスポート]をクリックし、PDF形式またはExcel形式でエクスポートします。
    PDF形式ではグラフが、Excel形式ではテーブルデータがエクスポートされます。

    スケジュールレポート


    右上の[スケジュールレポート]をクリックし、各種情報を入力しレポートのスケジューリングを行います。
    保存したスケジュールレポート設定は、[レポート]→[OpManager]→[スケジュールレポート]から閲覧できます。

監視の通知

しきい値を設定しているActive Directoryのパフォーマンス監視でしきい値違反が起きた場合、アラートが発生します。
通知プロファイルを設定しておくと、発生したアラート情報を外部に通知することができます。
通知プロファイルの詳細はこちらをご参照ください。

通知プロファイルでの条件設定

Active Directoryのパフォーマンス監視におけるしきい値違反を通知するには、通知プロファイルの条件設定のページで、以下を指定します。

  • [次のActive Directory監視がダウンしたとき]の[選択済み]から、しきい値違反を通知する監視をチェックして[完了]をクリックします。
  • [通知を行う重要度]で、設定したしきい値の重要度をチェックします。
  • アラートがクリアされた際にも通知を行う場合は、[アラートのステータスがクリアになったとき]をチェックします。
Active Directory パフォーマンス監視の通知
       概要