Cisco AVC監視
Cisco Application Visibility and Control(以下AVC)を使用すると、ネットワーク内のアプリケーションのトラフィック使用率やパフォーマンスを確認できます。
Cisco AVCは、1000以上のアプリケーションとそのサブカテゴリを識別する、NBAR2(Network Based Application Recognition 2)と呼ばれる次世代DPI(Deep Packet Inspection)技術を使用しています。NBAR2を使用すると、メール(Gmail、Yahooなど)やブラウザなど、類似の機能に基づきアプリケーションを分類できます。また、ピアツーピアアプリケーション、暗号化されたアプリケーション、その他のアプリケーションを識別できます。さらに、アプリケーションのトラフィック使用状況(アクセスしたURLなど)をより詳細に可視化できます。
ネットワーク管理者がポリシーを定義し、業務上重要なアプリケーションの最大のパフォーマンスを引き出して、ネットワーク上のリソース使用量を制御するのにAVCは役立ちます。
AVCの利点
- 1000以上のアプリケーションとそのカテゴリを識別
- ジッター、パケットロス、遅延、ARTなどのパフォーマンスメトリックを提供
- アプリケーションに適用されるQoSポリシーを識別し、QoSポリシーの変更を支援
- アプリケーション使用時のユーザーエクスペリエンスを向上
- アプリケーションの使用状況とパフォーマンスをより詳細に可視化することで、キャパシティプランニングを改善
- ダウンタイムを削減してトラブルシュートを迅速化
- ネットワークの最適化により運用コストを削減
AVC監視で生成されるレポート
NetFlow AnalyzerのAVC監視では以下のレポートを生成できます。
- NBAR2アプリケーションレポート
- HTTPホストレポート
- QoS統計レポート(QoSクラス優先度監視)
- ARTレポート(アプリケーション応答時間監視)
NBAR2アプリケーションレポート
NetFlow AnalyzerのNBAR2アプリケーションレポートには、NBAR2で識別されたアプリケーションのリストが、そのトラフィック詳細と、ネットワーク内の全トラフィックに対するアプリケーションのトラフィック割合と共に表示されます。任意のアプリケーションをドリルダウンすると、送信元IP、宛先IP、送信元ポート、宛先ポート、DSCP値などの会話の詳細が表示されます。
HTTPホストレポート
NetFlow AnalyzerのHTTPホストレポートでは、URLと、その各ヒット数と、特定のURLのトラフィック情報が表で示されます。特定のURLへの新規接続の数と、そのトラフィック割合も表示されます。
これらのデータは、ITチームが、ネットワークで最も頻繁にアクセスされるURLを監視し、ユーザーの挙動を分析するのに役立ちます。各HTTPホストをドリルダウンすれば、送信元IP、送信先IP、パケット数、トラフィック割合などの詳細を得ることができます。
QoS統計レポート(QoSクラス優先度監視)
QoS統計タブでは、QoS固有の情報が、主に統計レポートと廃棄レポートの2つでリスト化されます。統計レポートでは、アプリケーションのクラス優先度と、特定のアプリケーションの配分を確認できます。廃棄レポートでは、各トラフィッククラスの廃棄などがキューイングステータスとともにリスト化され、ITチームはQoS設定の効率性を検証できます。
ARTレポート(アプリケーション応答時間監視)
ARTはアプリケーション応答時間のことです。
ARTレポートを使用すると、ネットワーク中の遅いアプリケーションを応答時間に基づき識別できます。ARTレポートは、クライアントパケット、サーバーパケット、トランザクション、再転送、接続、応答、トラフィックを表示します。さらに、各アプリケーションをドリルダウンすると、応答が時間ごとにプロットされたクライアントエクスペリエンスのグラフが示されます。
QoSとARTは、AVCを有効化した装置にのみ、装置またはインターフェースの列に表示されます。
ARTレポートはネットワーク管理者が問題を絞り込むことを助けます。問題がクライアントネットワークにある場合、管理者はエッジルーターでQoSポリシーを強化して、業務上重要なアプリケーションのトラフィックを優先する必要があります。アプリケーションまたはサーバーネットワークに問題がある場合、クラウドサービスプロバイダーがサービスを微調整する必要があります。