情報技術(IT)は多くの産業に浸透し、ヘルスケア産業においても日常業務に欠かせない要素となっています。医療機関ではITと医療機器を臨床治療プロセスと連携させ、患者やそのグループの医療情報を管理しています。患者のプライバシーと権利を保護するためにも、ITチームには効率的なサービス提供が求められ、従業員が使用するデバイスやソフトウェアへの適切な説明責任、HIPPAなど国際法の遵守を保証することも重要です。
患者の治療はもとより、患者が直面するサービス全てが重要です。単純な失敗や機器の故障はサービス提供のプロセスを妨げ、生命を脅かす恐れさえあります。そのような事態を防ぐためにも、ITサービスデスクや人事、給与、財務などの基幹業務部門は、サービスの継続的な可用性と品質を確保しなければなりません。
パンデミック以降、ヘルプデスクの重要性はこれまで以上に高まりました。AIや機械学習を強化したマシン、IoTデバイス、サーバー増設など新しい機器や設備の導入でプロセスを高速化してきました。新型コロナウイルス患者急増に伴う患者情報の増加で、サーバーに負荷をかけないため大規模なシステム拡張も実施されてきました。バーチャルケア、バーチャルホスピタル、リモートワークなども導入されました。このようなサービスを継続していくためにも、従業員にエンタープライズ・グレードのサービスを提供できる効果的なIT、およびサービス管理のプラットフォームが必要です。
サービスマネジメント用のソフトウェアがなければ、サービスの継続性を確保することは難しいでしょう。現在、医療機関が直面している課題を次にまとめてみました。
サイバー攻撃など重大インシデントの管理
Shred-it社の調査 によると、医療機関の約42%がサイバー攻撃に対するインシデント対応計画を持っていないそうです。パンデミック以降、データ侵害のコストは急騰し、1件あたり平均923万ドルのコスト がかかっているとも。効果的なインシデント対応計画を持つ組織でも、ITSMツールの制約によって、日常のインシデント管理業務に計画を反映させられない場合があります。
基本的なヘルプデスクツールは、様々なインシデント管理に対して画一的なアプローチのみで対応しています。しかし医療機関ではプリンター故障のような小さな問題から、複数のフロアでの通信障害やサイバー攻撃のような緊急度の高い問題まで、様々な課題に直面しています。このような理由からも、医療機関では大規模なインシデント対応計画だけでなく、エンドポイント管理アプリケーションと統合してインシデントを事前検出し、過去の問題まで追跡できる ITSMソリューション が必要なのです。
IT資産と非IT資産の管理が負担に
重要かつ膨大なIT資産と非IT資産を、これほど日常的に扱う組織は医療機関の他にあまりありません。IT資産管理(ITAM)機能を持つITSMツールがなければ、膨大な量の資産を管理し、インベントリを維持し、必要時に必要な資産を探し出すのは困難です。NursingTimes.net の調査によると公立病院で働く看護師の30%が、必要な機器を探すために毎回約1時間費やしていることが明らかになりました。ITSMシステム未導入による医療機関のお金とリソースの損失はかなりの額にのぼるでしょう。
医療機関の多くは、スプレッドシートとIT資産管理(ITAM)ソリューションを組み合わせて資産を管理しており、ライフサイクル全体をマッピングできるプロセスを持っていません。ほとんどの場合、ITSMソリューションはITAMソリューションに接続されておらず、大規模な変更やRCA(Root Cause Analysis:根本原因分析)を行うたびに、ヘルプデスクチームに大きな負担がかかります。
これらの点からも医療機関では、包括的かつITSMソリューションに組み込まれている 資産管理ソリューション が必要なのです。導入することでITインフラ全体を一元的に把握し、使用中のIT資産をエンドユーザーに紐づけることができます。
従業員への一貫したサービス提供
従業員に対するサービスの向上が、よりよい患者ケアに直結することは言うまでもありません。医療機関は従業員の役職、部署、場所などに柔軟に対応したサービスだけでなく、従業員が利用できるサービスすべてにアクセスできるタッチポイントも用意しなければなりません。
しかし多くの医療機関では、すべてのサービスオプションを提供できるエンタープライズサービスデスクがないため、従業員へのサービス提供に苦労しています。様々なソリューション(ナレッジ)にアクセスできる一元化されたポータル、リクエストの追跡、承認機能なども必要です。これらの機能が備わることで、従業員が適切に対処するためのプラットフォーム構築に役立ちます。
図解で整理:
「医療機関に包括的なプラットフォームが必要な理由」を一つの図にまとめてみました。
病院のための安全・安心なITSMを実現する
ServiceDesk Plusのご紹介
- インシデント管理機能とITマネジメントとの統合によって、強固なインシデント管理戦略を策定し、組織全体の問題に対応できます。サイバー攻撃に対処するための迅速なインシデント管理を実現します。
- アラートを自動的にチケットに変換し、予期せぬ障害を防止。
- インシデントと問題を関連付けて問題分析を開始することで、問題の根本原因を突き止め、インシデントの再発を回避。
- ビジネスルールを活用して、受信したチケットに対し一連のアクションを実行。ノーコードで簡単に設定できる自動化機能によってインシデント対応を強化。
- サービスレベル管理 を自動化し、タイムリーな解決を図る。
他のITSMプロセスと連携した資産管理戦略を実装できます。ITインフラを効果的に管理するため、ライセンスのコンプライアンス、IT支出および資産の減価償却も把握できます。
- 資産検出用の統合エージェントを使用して、Windows、Linux、およびMacOSのデバイスをスキャンします。
- すべてのIT資産と非IT資産を一元的に把握。
- ドラッグ&ドロップで作成できるワークフロービルダーで、資産のライフサイクル全体を設計。
- ダッシュボードで、資産状況をリアルタイムに把握。
- 高度なリモートコントロール機能で、スムーズなリモートサポートを実現。
- 構成管理データベース により、組織内のスタッフ、資産、サービスの業務関係をマップ化。
- すべてのサービス、お知らせ、ソリューション(ナレッジ)をポータルで紹介します。従業員や患者に必要な情報を簡便に提供することで、従業員の能力を向上させます。
- セルフサービスポータル で、サービスへのアクセスを一元化。
- パーソナライズされた サービスカタログ によるサービス提供。
- ITSMのベストプラクティスを 人事、総務など組織の他の業務部門 に拡張可能。
- チケットの様々な段階において、技術者をガイドする包括的な リクエストライフサイクル を視覚的に構築。
- 連絡先情報、予防医療、標準的な手順などをエンドユーザーに知らせるための、包括的な ナレッジベース を構築。
- Webhook、カスタムアクション、コールバックカスタム関数を使用して、ServiceDesk Plusとサードパーティ製アプリを連携し、様々なタスクを実行。
患者の医療情報をはじめ、医療機関の住所、医療保険制度の詳細、重要な資産情報などの機密医療情報を最小限の労力で漏洩から守ります。
- 機密性の高いデータ領域を電子的保護医療情報(ePHI)としてマークし、追加領域で収集・保存されたデータを暗号化することで機密データを保護。
- ePHIとマークされたデータを個別または集合的に削除または匿名化。
- レポートやモジュールからエクスポートされるデータを、パスワード付ZIPファイルで保護。
- ePHI領域で行われたアクションを自動的に記録し、監査を簡素化。
ServiceDesk Plusには 変更管理 や リリース管理 など、ITSMのベストプラクティスがあらかじめ組み込まれています。またリソース管理もできる本格的な プロジェクト管理 モジュールにより、古い機器の更新や定期的なソフトウェアパッチの適用など、効果的な変更を設計し実行できます。包括的な ナレッジベース はスタッフと患者がサービスを自発的に検索するためのソースを提供します。さらにスマートな自動化、ノーコードの カスタマイズ 、豊富な レポート機能、 IT運用管理アプリケーションとの連携 によってヘルプデスクを強化。優れたITサービスを提供できるよう支援します。