1.ネットワーク遅延の原因が社内にあるケース5選
ネットワークが遅い原因が社内にあるケースとして、以下では5つご紹介します。いずれも、社内で解決できる可能性が高いものです。
トラフィック解析ツール NetFlow Analyzer
1-1.パソコン(端末)の問題
パソコンが原因でネットワークが遅いと感じるケースです。特に、社内の同じ場所・時間帯などで自分だけネットワークが遅いと感じる場合、その端末の問題の可能性が高いです。パソコンのスペック、OSのバージョン、キャッシュの蓄積、インストール済みのソフトの影響などを見直すことで、遅延の問題が改善することがあります。
1-2.LANケーブルの問題
LANケーブルなどが原因でネットワークが遅いと感じるケースです。仮に契約回線の速度が速くとも、それに見合わないスペックのケーブルを使用していると、最大の速度が出せません。特に古いLANケーブルを長年使用している場合、規格が見合わずにスピードが出ないケースも多いです。現在使用しているケーブルの規格を確認し、十分でない場合はより新しい(規格の数字の大きい)ものに買い替えることで、遅延の問題を解決できる可能性があります。
1-3.ルーターやスイッチなどの問題
ルーターやスイッチ、ONUなどの機器が原因で、ネットワークが遅いと感じるケースです。古い機器の中には最大速度が今より遅かったり、同時接続で著しく遅くなるものもあります。機器のスペックなどを確認し、必要に応じて新しいものに買い替えることで、遅延の問題を解決できることがあります。
1-4.無線LANやアクセスポイントの問題
無線LANの干渉やアクセスポイントの切り替えが原因で、ネットワークが遅いと感じるケースです。社内で無線LANを使用しており、特定の場所において複数人が同時にネットワークの遅延を感じる場合、この問題が考えられます。無線LANは壁や障害物などで届きにくいことも多いです。また、複数のアクセスポイント間で切り替えがうまくいかずに、接続が途切れがちになっている場合もあります。無線LANの届く範囲やアクセスポイントの位置を見直すことにより、遅延の問題が改善する可能性があります。
1-5.一部の社員の問題
同じネットワークを利用している一部の社員が大量にトラフィックを消費しており、全体として帯域不足が発生しているケースです。たとえば、大容量の資料をまとめてダウンロードしている、といった状況が考えられます。その場合、トラフィック分析でその社員を特定して、容量を分割してダウンロードするなどの協力を依頼することにより、遅延の問題が改善することがあります。
2.ネットワーク遅延の原因が社外にあるケース3選
ネットワークが遅い原因が社外にあるケースとして、以下では3つご紹介します。社内で解決するのが難しいものも含まれます。
2-1.外部からの攻撃の問題
外部からDoS攻撃などのサイバー攻撃により、大量にトラフィックを消費しているケースです。過剰なトラフィックが発生している場合、攻撃も疑う必要があります。マルウェア感染などで社内のパソコンを乗っ取り、そこから不正な通信を大量に流している場合もあります。被害が拡大する前に日頃から社内でトラフィック分析を行い、攻撃が疑われる怪しい通信がないか確認しましょう。怪しい通信が見つかった際は、特定の送信元やプロトコルなどの通信を遮断する、ファイアウォールのルールを見直すなどの対策を行うことで、遅延の問題を解決できる可能性があります。
2-2.ISP側の問題
ISP(インターネットサービスプロバイダー)側が原因である場合、社内では基本的に解決できません。各ISPのWebサイトを確認するか、サポート窓口に問い合わせをしましょう。契約している帯域幅が適切であるにもかかわらず遅延が頻発する場合は、ISPの変更も検討しましょう。
2-3.Webサイト側の問題
Webサイトの表示が遅い場合、外部のWebサーバーやWebサイト自体が原因かもしれません。利用者の多いサイトに関しては障害情報が公開されていることも多いので、確認してみましょう。
まとめ:ネットワーク遅延は原因の切り分けが重要
ネットワーク遅延が社内の問題である場合、対処しやすい一方で、社外に原因がある場合は対処が難しいこともあります。まずはそこを判断するため、社内の問題か否かについて切り分けを行うことが重要です。
社内に原因があるケース
- パソコン(端末)の問題
- LANケーブルの問題
- ルーターやスイッチなどの問題
- 無線LANやアクセスポイントの問題
- 一部の社員の問題
社外に原因があるケース
- 外部からの攻撃の問題
- ISP側の問題
- Webサイト側の問題
ネットワーク遅延の原因の切り分けでは、ネットワーク帯域の利用状況などのトラフィック分析が不可欠です。一方、ネットワーク運用管理の現場からは「トラフィックの内訳までは把握できないため、原因の切り分けが難しい」といった声もお聞きします。
そのような課題に対して、ManageEngineでは誰でも簡単にトラフィック分析ができるツール「NetFlow Analyzer」をご提供しています。NetFlow・sFlowといったフロー技術の活用により、送信元/宛先IPアドレスやアプリケーション情報などの通信の内訳を可視化できます。また、豊富な種類のレポートで、契約帯域が適切かどうかの判断材料としてもご利用いただいております。
また、遅延の原因が外部にある場合、特に攻撃やウイルスなどの外部からの不正な通信については、ファイアウォールのログを活用するのも効果的です。ManageEngineでは、ファイアウォールのログ解析によりセキュリティリスクを可視化するツール「Firewall Analyzer」をご提供しています。未使用ルールの可視化やログの長期保管にも対応しています。