ユーザー退職プロセス(オフボーディング)のオーケストレーション

不適切な退職プロセスは、組織が重要データを失うリスクを生みます。例えば、アクセス権が取り消されていない元従業員は、重要データを改ざんすることができ、さらには機密性を不意にしうる重要データを盗むことさえできます。そうなれば、コンプライアンス違反につながる可能性や、正常な状態に戻す費用が高額になる可能性があります。

多くの組織では、ユーザーアカウント削除とユーザーアカウントに関連付けられたアクセス権削除に、従業員が辞めた日から数週間、ときには数か月かかっています。IT管理者は、Active Directoryでアカウントが削除された後、以下のタスクを実行するために、各アプリケーションを行き来する必要があります。

  • Microsoft 365で実行するタスク
    • Microsoft 365アカウントの削除
  • Microsoft Exchangeで実行するタスク
    • ユーザーのメールボックスの削除
  • ITSMで実行するタスク
    • 削除されたユーザーアカウントのアクセス権を削除するリクエストを作成
  • 関係者への通知
    • ユーザー削除について、IT管理者や部署のマネージャー、当該ユーザーにメールまたはSMSで通知

ADManager Plusのオーケストレーションテンプレートを使用すれば、ユーザーの退職プロセスをわずかなステップで自動化できます。

 

1:ユーザーアカウント削除を求めるリクエストをITSMツール中で作るWebhookテンプレートを作成します

  1. adminとしてADManager Plusにログインします。
  2. [自動化]→[設定]→[オーケストレーションテンプレート]に移動します。
  3. [Webhookを構成]をクリックします。
  4. [新しいWebhookテンプレート]をクリックします。
    メモ
    以下の手順で必要な情報は、リクエストを作成するアプリケーションのAPIドキュメントから取得してください。
  5. 「URLを入力」フィールドにAPIリクエストを入力します。
  6. HTTPメソッドを択します。
  7. 「ヘッダ」フィールドで、APIヘッダを追加し、ヘッダの値にマッピングします。
  8. 「パラメータ」フィールドで、APIパラメータを追加し、パラメータの値にマッピングします。
  9. 「メッセージタイプ」を選択し、[テストと保存]をクリックします。
    メモ
    「ヘッダ」と「パラメータ」の設定ではリストアップされたマクロを使用できます。「URLを入力」フィールドと「メッセージタイプ」フィールドでマクロを使用するには、マクロを手動で入力する必要があります。

 

2:新規オーケストレーションテンプレートを作成します

  1. adminとしてADManager Plusにログインします。
  2. [自動化]タブ→[設定]→[オーケストレーションテンプレート]に移動します。
  3. [新しいテンプレートを作成]をクリックします。
  4. 「テンプレート名」を入力します。
  5. 必要であればテンプレートの説明も入力します。
  6. オーケストレーションテンプレートをカスタマイズします。以下のブロックをドラック&ドロップします。
    • Exchangeアクション
      • [メールボックスの無効化]ブロック:当ブロックで、ユーザーアカウントに関連付けられたメールボックスを無効化します。
    • クラウドアクション
      • [Microsoft 365アカウントを削除する]ブロック:当ブロックで、ユーザーが関連付けられたMicrosoft 365アカウントを削除します。
    • カスタムアクション
      • [Webhook]ブロック:ITSMツールのAPIが設定されたWebhookテンプレートを選択します。
      • [通知]ブロック:通知テンプレートを選択します。通知テンプレートの作成方法はこちらです。
  7. [保存]をクリックします。テンプレートの編集をやり直したい場合は、[消去]をクリックします。

 

3:オーケストレーションテンプレートが実行される条件を設定したイベントドリブンオートメーションを作成します

あらかじめ、メールサーバー設定が適切にされているか確認してください。メールサーバー設定の詳細はこちらです。

  1. adminとしてADManager Plusにログインします。
  2. [自動化]タブ→[自動化]→[イベントドリブンオートメーション]に移動します。
  3. ページ右上の[新しい自動化を作成する]ボタンをクリックします。
  4. 「オートメーション名」と[説明]を入力します。
  5. 「基準」フィールドと「条件」フィールドで、ステップ2で作成したテンプレートを実行する条件を設定します。
  6. 「オーケストレーションテンプレート」で、ステップ2で作成したテンプレートをリストから追加します。
  7. [保存]をクリックします。
       概要