Active Directory連携とユーザーのインポート
目次
Network Configuration Managerでは、Active Directoryと連携しユーザーをインポートできます。ドメイン アカウントでWindowsシステムにログインしたユーザーは、NCMに直接ログイン可能です(別途NCMログインは不要)。
ADからユーザーをインポートし、そのユーザーにNCMでの役割と権限を割り当てるには、4段階の手順が必要です。下記の説明に従って操作してください。
手順1:ユーザーのインポート
初めに、資格情報を入力し、ADからユーザーをインポートします。NCMは、実行中のNCMが属しているサーバーの「Microsoft Windows Network」フォルダに存在するドメインを自動的に把握します。そこから、必要なドメインを選択し、ドメイン コントローラーの資格情報を入力してください。
そのためには、
- 管理 > ユーザー タブに移動して「Active Directory」をクリックします。
- 手順1に進み、「今すぐインポート」ボタンをクリックします。
ポップアップするUIで、
- ドロップダウンから、必要なドメイン名を選択します。
- ドメイン コントローラーのDNS名を指定します。このドメイン コントローラーが、プライマリ ドメイン コントローラーになります。
- プライマリ ドメイン コントローラーの停止に備え、セカンダリ ドメイン コントローラーを設定できます。セカンダリ ドメイン コントローラーがある場合は、それらのDNS名をカンマ区切りで指定します。使用されるのは、稼働中の祖z内するセカンダリ ドメイン コントローラーから1つです。SSLを使用するときは、指定したDNS名がドメイン コントローラーのSSL証明書に指定されているCN(共通名)と一致するか確認してください。
- 通信の暗号化を行うかは、ドメインごとに設定できます。SSLを有効にするには、ドメイン コントローラーがポート636でSSLでサービスを実行している必要があります。また、ドメイン コントローラーのroot証明書をNCMサーバー マシンの証明書にインポートする必要があります。
- NCMインストール先マシンで、コントロール パネルを起動し、ツール > ネットワークとインターネット > インターネット オプション > コンテンツ > 証明書と移動します(Windows 10の場合)。
- 「インポート」をクリックします。
- 認証局によるroot証明書の問題を参照して見つけます。
- 「次へ」をクリックし、「証明書の種類にもとづいて、自動的に証明書ストアを選択する」を選択してインストールします。
- もう一度「インポート」をクリックします。
- ドメイン コントローラー証明書を参照して見つけます。
- 「次へ」をクリックし、「証明書の種類にもとづいて、自動的に証明書ストアを選択する」を選択してインストールします。
- 変更を適用してウィザードを閉じます。
- この手順を繰り返して、他の証明書をrootチェーンにインストールします。
- ドメイン コントローラーで読み込み権限を持つ有効なユーザー資格情報(ユーザー名とパスワード)を入力してください。
- デフォルトでは、NCMはADからすべてのユーザーをインポートします。特定のユーザーのみをインポートする場合は、必要なユーザー名をカンマ区切りで入力してください。
- 同様に、ドメインから特定のユーザー グループまたはOUのみをインポートすることもできます。それぞれのテキスト欄に名前をカンマ区切りで指定できます。
- ユーザー データベースの同期は自動化が可能で、新規ユーザーがADに作成されるたび、自動的にNCMに取り込むことも可能です。NCMからADへの同期の問い合わせ間隔を指定してください。時間間隔は1分まで短くすることも、数時間や数日の範囲にすることもできます。
- 「保存」をクリックしてください。この「保存」ボタンをクリックした直後から、NCMは選択されたドメインからすべてのユーザーを追加し始めます。その後のインポート時には、AD内の新しいユーザー エントリのみがローカル データベースに追加されます。
- メモ:組織単位(OU)とADグループをインポートする場合は、対応するOU/ADグループの名前でユーザー グループが自動的に作成されます。インポート中には、AD認証が無効の時にNCMへのログインに使用するパスワードとあわせて、すべてのユーザーに通知が送信されます。
ドメイン コントローラーの証明書を公的認証局(CA)が署名していない場合は、証明書をNCMサーバー マシンの証明書ストアに手動でインポートする必要があります。それぞれのroot証明書チェーンに存在するすべての証明書、つまりNCMサーバー マシンの証明書と、中間証明書は、あるものすべてをインポートください。
ドメイン コントローラーの証明書をNCMマシンの証明書ストアにインポートするには、通常のSSL証明書のインポート手順で実行してください。以下に一例を示します。
これでNCMサーバーがSSLでこのドメイン コントローラーと通信できるようになります。同じ手順を、NCMとSSL通信する全ドメイン コントローラーで繰り返して下さい。ドメイン コントローラーに指定するDNS名は、ドメイン コントローラーのSSL証明書に指定されているCN(共通名)と一致している必要があります。
NCMでADからインポートされるユーザーの役割
NCMデータベースに追加されたユーザーは「オペレーター」の役割となります。指定の役割を割り当てたい場合は、以下の手順2に進んでください。
NCMログインにAD権限と非ADの権限の両方を扱うには
本製品へのログインには、ADパスワードとローカルの非ADパスワードの両方を使用できます。ログイン画面で選択ください。
ユーザーやユーザー グループの同期がADで行われたかどうかを確認するには 手順1にある「同期スケジュールの表示」ボタンをクリックします。同期のステータスがそこに表示されます。
手順2:役割の割り当て
ADからインポートされたすべてのユーザーには、デフォルトで、「オペレーター」の役割が割り当てられます。ユーザーに役割を指定して割り当てるには、
- UI(管理 > Active Directory)の手順2に進み、「今すぐ役割を割り当てる」ボタンをクリックします。
- 開いたUIに、ADからインポートされたすべてのユーザーが左側の「オペレーター」列の下に表示されます。
- 役割を変更したいユーザーを選択し、矢印ボタンを適宜使用して、「管理者」または「パワー ユーザー」の役割を割り当てます。
- 「保存」をクリックすると、必要な役割がユーザーに設定されます。
手順3:認証の有効化
3番目の手順はAD認証の有効化です。これにより、ユーザーは自分のADドメイン パスワードを使用してNCMにログインできます。この方式は、ADからローカル データベースにすでにインポートされているユーザーに対してのみ機能します。
手順4:シングル サインオンの有効化
ドメイン アカウントでWindowsシステムにログインするユーザーは、設定を有効にすると、NCMログイン用の別アカウントは不要となります。これを機能させるには、AD認証を有効にし、対応するドメイン ユーザー アカウントをNCMにインポートしておく必要があります。
シングル サインオンの場合、NCMはサード パーティのライブラリを使用します。これにより、Microsoft Active DirectoryとJavaアプリケーション間の高度な連携が可能になります。NTLMセキュリティ プロバイダーは、Windowsサーバーと同じNetlogonサービスを使用して資格情報を検証します。
これを実現するには、Netlogonサービスに接続するためのアカウントは、コンピューター アカウントとして作成してください。
つまり、NCMは、認証を実行するためにドメイン コントローラーのコンピューター アカウントを必要とします(コンピューター アカウントは、既存でも新規作成でも問題ありません。他方、ユーザー アカウントは機能しません)。
シングル サインオンを有効にするには、
- UI(管理 > Active Directory)の手順4に進み、「シングル サインオンの有効化」ボタンをクリックします。
- 開いたUIで、ドメインを選択します。
- 「完全修飾ドメイン名」欄に入力してください。
- ドメイン コントローラーで作成したコンピューター アカウント名を入力してパスワードを指定します。
- コンピューター アカウントを新しく作成する場合は、「ドメインに当該コンピューター アカウントを作成する」チェック ボックスを選択ください。コンピューター アカウントにパスワードを設定するためのスクリプトが含まれています。
- 「保存」をクリックしてください
Google ChromeはWindowsコントロール パネルを呼び出すことでこれをサポートします。他方、Mozilla Firefoxでは、ブラウザー自体で設定を行います。
- Firefoxブラウザーを開き、URL「about:config」を入力して「Enterキー」を押します。
- 多数の設定がリストアップされます。
- フィルターに「ntlm」と入力して、設定「network.automatic-ntlm-auth.trusted-uris」を探します。そのエントリをダブル クリックし、テキスト欄(https://
: )にNCMサーバーURLを入力します。 - それから、設定「network.ntlm.send-lm-response」を探します。
- エントリをダブル クリックして、デフォルト設定を「false」から「true」に変更します。