xFlowとは
xFlowとは、ネットワークトラフィックの監視・分析を目的とするフロー技術(○○Flow)の総称を指す言葉です。xFlowは、もともと大量の通信を取り扱う通信事業社などで用いられていましたが、現在では手軽にトラフィックの内訳情報を把握する手段として、規模を問わず多くの企業で用いられています。
xFlowに含まれる情報
xFlowは、ネットワークを流れるパケットから、内訳の把握に必要な情報のみを抽出してフローデータを生成します。フロー技術により含まれている情報は異なりますが、フローデータには一般的には以下のような情報が含まれています。
- 送信元IPアドレス、宛先IPアドレス
- 送信元ポート番号、宛先ポート番号
- プロトコル種別(TCP、UDPなど)
- Tosバイト(DSCP)
- 入力インターフェース
xFlowの種類
xFlowにはNetFlowやsFlowを始め、さまざまなものが存在します。それぞれのフローの概要や対応機器について、以下の表にまとめています。詳細については、解説ページをご参照ください。
概要 | 対応機器 | リンク | |
---|---|---|---|
NetFlow | Cisco社によって開発されたフロー技術 | Cisco製を始めとした多くの機器 | NetFlow 解説ページ |
sFlow | InMon社によって開発されたフロー技術/一部のパケットを参照してフローデータを生成(サンプリング) | さまざまなベンダー製の機器 | sFlow 解説ページ |
IPFIX | NetFlow V9を拡張して標準化したフロー技術(NetFlow V10とも呼ばれる) | さまざまなベンダー製の機器 | IPFIX 解説ページ |
J-Flow | Juniper Networksによって開発されたフロー技術 | Juniper Networks製の機器など | J-Flow 解説ページ |
AppFlow | IPFIXを拡張し、L7レベルの情報を取得できるように設計されたフロー技術 | Citrix Systems製のスイッチなど | AppFlow 解説ページ |
NetFlow Lite | NetFlowのサンプリング必須としたフロー技術 | Cisco製のスイッチなど | NetFlow Lite 解説ページ |
xFlowと従来の測定方法(SNMP・パケットキャプチャ)の違い
トラフィックの監視・分析を目的とした技術は、従来からSNMPやパケットキャプチャなどが存在しています。ここでは、それぞれの特徴やxFlowとの違いを紹介します。
SNMPとの比較
SNMPは、ネットワークの監視を目的として開発された技術です。SNMPを用いることで、インターフェースごとのトラフィック総量を把握することができます。業界標準規格でありベンダーを問わず利用できる点や、死活監視やパフォーマンス監視も合わせてとても手軽に利用できる点が特徴です。
一方、xFlowとの違いとして、アプリケーション/プロトコルごとのトラフィック量や、IPアドレスを含めた調査まで行うのは困難である、という点があります。
パケットキャプチャとの比較
パケットキャプチャは、ネットワークを流れるパケットを収集する技術であり、トラフィックの詳細分析を行うことができます。トラフィックの総量だけでなく、パケットのデータ部分も含めた非常に細かい分析ができる点が特徴です。
一方、xFlowとの違いとして、分析を行うためには専門知識や慣れが必要である、および、すべてのパケットを収集するためデータの容量が膨大となる、という点があります。
xFlow活用に欠かせないフローコレクター
xFlowは「専門知識や経験を問わず、トラフィックの内訳情報を手軽に把握したい」とお考えの方にはとても便利な技術です。ただしxFlowを活用するには、xFlowにより生成されるフローデータをわかりやすく整理して可視化するツールが必要です。そのようなツールは「フローコレクター」と呼ばれています。
ManageEngineでは、マウス操作だけで簡単に使えるフローコレクター「NetFlow Analyzer」を低価格帯でご提供しています。NetFlow Analyzerは、NetFlow、sFlow、IPFIXなど主要なxFlowに対応しています。アプリケーション(httpなど)/プロトコルごとのトラフィック量やIPアドレス単位のトラフィック調査もでき、「いつ・誰が・どのような通信をどれくらいの量していたか」をわかりやすく可視化します。実際の使用感は、以下の登録・インストール不要の体験サイトでぜひお試しください。
インストール不要で操作できる体験サイト
ManageEngineのトラフィック可視化ツール「NetFlow Analyzer」では、ツールの使用感を確認できるGUIベースのサイトを提供しております。制限はありますが、実際に操作いただくことも可能です。
インストールや設定は一切必要ないので、お気軽にお試しください。