ファイアウォール運用で直面する課題とは
ファイアウォールは通信を制御することで社内ネットワークを外部から守ることができる便利な仕組みであり、あらゆる規模のネットワーク環境において欠かせない存在です。一方、その運用に課題を感じている管理者も多いです。ファイアウォールの運用で多くの管理者が直面する課題として、次の4つがあります。
ファイアウォールポリシーの管理が難しい
ファイアウォールポリシー(ルール)は通信を制御する上で非常に重要ですが、管理が煩雑になりがちです。新規ポリシー作成時はそれぞれのポリシーの役割など、以下の項目について明確にしておく必要があります。
- ポリシーの役割
- ポリシーの作成日と作成者の名前
- ポリシーにより影響を受けるユーザーとサービス
- ポリシーにより影響を受けるデバイスとインターフェース
- ポリシーの有効期限
不要な許可ポリシーは、攻撃者が内部ネットワークへの侵入を試みる際に悪用されることがあり、セキュリティ上好ましくありません。また、矛盾したポリシーが存在していると、ファイアウォールのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。定期的にポリシーの見直しを行い、不要なポリシーの削除/変更などを行う必要があります。
ファイアウォールログの適切な運用方法がわからない
ファイアウォールログの運用は、トラブルシューティングの観点から重要です。ネットワーク障害やサイバー攻撃などのトラブル発生時に、原因究明の手段としてログを解析することがあります。注意点として、攻撃者が特定のサーバーに不正に侵入した形跡がある場合、そのサーバーのログは改ざんされている可能性があります。ファイアウォールのログは、ファイアウォールへ侵入されない限り信頼できるので、確実に保管し、運用していくことが重要です。ログの容量を考慮して十分なスペースを確保し、できれば長期間保管しましょう。
不審な通信を検知する仕組みがない
ファイアウォールでは通信を制御することができますが、それだけでは不審な通信を検知することはできません。ここでいう不審な通信とは、ポリシー違反により何度も拒否されている通信、VPN接続を試みて失敗している通信、業務時間外に発生している通信、トラフィック量が異常に多い通信など、さまざまな種類があります。ファイアウォールを最大限に活用するためには、そのような通信を検知する仕組みが重要です。ログ解析ツールなどを用いない場合、定期的にログを確認する、または自作のプログラムを構築する必要があります。
最新のセキュリティ情報の入手や対応に時間がかかる
ネットワーク管理者は、公式ホームページなどで最新の脆弱性の情報を入手する必要があります。また、脆弱性に対応した最新のセキュリティパッチを適用することも重要です。ファイアウォールの設定でセキュリティを強化しても、脆弱性を狙った攻撃は防ぐことができません。ファイアウォールで使用するOSやミドルウェア、アプリケーションを最新のバージョンにアップデートし、セキュリティパッチがあれば適用する必要があります。もちろん、ファイアウォール製品自体の脆弱性にも十分注意を払い、セキュリティパッチが出ていれば迅速に適用しましょう。
課題を乗り越え、低工数のファイアウォール運用を実現
上記のファイアウォールの運用面の課題への解決策として、ログ管理・解析ツールの利用が挙げられます。低工数の運用を実現するためには、誰でも操作しやすいツールを選ぶ必要があります。
ManageEngineでは、マルチベンダー対応のファイアウォールログ解析ツール「Firewall Analyzer」をご提供しています。すべての機能をお試しいただける無料の評価版(技術サポートつき)もご用意しております。わかりやすい管理画面と操作性が特徴で、たとえば以下のことが可能です。
- 未使用ポリシーの可視化、ポリシーの影響分析テスト
- ファイアウォールログの長期保管・解析(可視化)
- 不審な通信の検知とアラート通知